図鑑の専門家が厳選! 0〜5歳に最適な「イラスト」「仕掛け」「ユニーク」図鑑BEST9

図鑑マニア・斎木健一先生インタビュー第4回/年齢別図鑑セレクション【0~3歳/4~5歳】

【4~5歳】絵本感覚で親しみやすいユニーク図鑑も◎

――イラストが多く、絵本のように楽しく読める図鑑もあるのですね。

大人もおもしろい図鑑としておすすめなのが、『おすしのずかん』『パンのずかん』『このあな なんじゃ』です。一見、どれも絵本のようですが、おすしやパン、生きものの知識が得られて、“見てみたい”“食べてみたい”と、実物への興味を広げてくれますよ。


斎木先生おすすめ⑦⑧ 『おすしのずかん』『パンのずかん』
楽しみながら、おすしとおすしになる魚がわかる『おすしのずかん』、全104種類のパンを生まれた国の国旗付きで紹介した『パンのずかん』。それぞれの専門家監修のもと、かわいいイラストで描かれています。「絵本でよく使われる技法の“言葉の繰り返し”も心地よく、子どもたちの心をつかみます」(斎木先生)。ほかに、『めんのずかん』『ねこのずかん』『おかしのずかん』も。

左:『おすしのずかん』(作:大森裕子、監修:藤原昌高(ぼうずコンニャク)/白泉社)と、右:『パンのずかん』(作:大森裕子、監修:井上好文(日本パン技術研究所)/白泉社)

斎木先生おすすめ⑨『このあな なんじゃ ひがたのいきものへん』
干潟にある小さな穴に暮らす生きものに焦点を当てた図鑑です。「干潟に暮らす生きもの……なかなかマニアックですよね(笑)。巻末には、絵本のパートに登場した生きものたちの解説が付いた、れっきとした図鑑。めくる仕掛けも楽しいです」(斎木先生)。

『このあな なんじゃ ひがたのいきものへん』(作:きむらたえこ、絵:みぞぐちともや/仮設社)

親子一緒に図鑑で好奇心を刺激して世界を広げよう

膨大な量の知識や情報が詰まっている図鑑。「図鑑を読んで頭のいい子に育ってほしい」「たくさん知識を得てほしい」。親ならついそう考えるものですが、図鑑のメリットは決してそれだけではないのだと、斎木先生は教えてくれました。

大切なのは、子どもがみずから図鑑を開いて<知らなかったことを知る喜び>を味わうこと。そして、親は図鑑を買い揃えることより、まずは子どもと一緒に楽しむこと。図鑑を通して共に好奇心を育み、ワクワクしながら知識を広げる体験は、きっと親子の絆も深めてくれるはずです。


取材・文 星野早百合

#1 斎木健一先生「最先端の図鑑事情」
#2 斎木健一先生「子どもを図鑑好きにさせるには」
#3 斎木健一先生「図鑑の選び方・使い方」

25 件
さいき けんいち

斎木 健一

千葉県立中央博物館 分館海の博物館分館長

1962年、神奈川県生まれ。「千葉県立中央博物館 分館海の博物館」分館長。所有する図鑑は1800冊以上。 TBS系テレビ番組『マツコの知らない世界』では、“図鑑の世界”の案内人を務めるなど、メディアにも多数出演。 2014年、千葉県立中央博物館で行われた企画展の図録として、『図鑑大好き!』(彩流社)を出版。『講談社の動く図鑑 MOVE 植物』(講談社)の監修も担当している。 写真:小松貴史 千葉県立中央博物館 分館海の博物館 http://www2.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/

1962年、神奈川県生まれ。「千葉県立中央博物館 分館海の博物館」分館長。所有する図鑑は1800冊以上。 TBS系テレビ番組『マツコの知らない世界』では、“図鑑の世界”の案内人を務めるなど、メディアにも多数出演。 2014年、千葉県立中央博物館で行われた企画展の図録として、『図鑑大好き!』(彩流社)を出版。『講談社の動く図鑑 MOVE 植物』(講談社)の監修も担当している。 写真:小松貴史 千葉県立中央博物館 分館海の博物館 http://www2.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/