ランキング発表！　「全国訪問 おはなし隊」で2024年にもっとも多く読まれた絵本は？

さて、ここからはいよいよベスト５の発表です。

カバーのイラストからして、この迫力！　優勝がかかった大一番で巨漢の大横綱・武留道山（ぶるどうざん）に挑むのは小兵の明の海（あけのうみ）。緊張感ある立ち合いの場面では、子どもたちも息をのみます。そして、最後の「どーーーーーん！」で大歓声。相撲好きのおじいさん、おばあさんに読んでもらうのもいいですね。

パンダたちが組み体操をするお話です。最初は２匹で始めた体操ですが、３匹、４匹、５匹とどんどん増えていきます。「ピーッ！」「ピッ！」という合図に合わせて作り出すのは、パンダの白黒カラーを生かした「おにぎり」や「めがね」。そのたびに子どもたちから「おぉー！」という歓声が上がるのですが、一番驚いているのが、実は訪問先の先生だったりもします。

第３位からは読み聞かせ回数100回超えの作品が並びます。

読み聞かせ回数117回で第３位になったのは、遊び唄風な展開が人気の『ちゅうちゅうたこかいな』。壺から少しだけ「たこ」らしきものが覗いています。「ちゅうちゅうたこかい……」とじらしにじらして、「な」という声と同時にページをめくると、頭文字に「な」が付くいろんなものが登場！　子どもたちが口々に自分の予想を教えてくれるので、にぎやかに楽しむには最適です。

第２位にランクインした『ゴリラさんは』は、第10位の「ねこです。」と同じく北村裕花さんの作品です。読み聞かせ回数は131回。大好きなバナナを抱えたゴリラさんが歩いていると、バナナをじーっと見つめるサルさんたちが「ぬん。」「ぬぬん。」「ぬぬぬん。」と次々に登場します。その都度、バナナをわけてあげるゴリラさん。残りはあと１本。でも、向こうにはこちらを見ているサルさんが……。さて、ゴリラさんはどうしたか？　大人も子どもも、心がほっこりするはずです。

そして2024年を通してもっとも読まれたのは、読み聞かせ回数141回、あのロングセラーシリーズでした。

『もったいないばあさん』のシリーズ第１作が刊行されたのは2004年10月。それから約20年が経ち、知らない子どもはいない大人気シリーズになっています。訪問先の保育園や幼稚園には、必ずと言っていいほど、『もったいないばあさん』シリーズが置かれています。
そのなかで、この作品は、まほうのくにを訪れたもったいないばあさんのお話。そこでは古い新聞紙やペットボトルも、呪文を唱えると、あっという間に役立つものに早変わりします。「ゴミ」として捨ててしまいそうなものが、どんなものに変身するのか、クイズのようにリサイクルのことが学べるようになっています。

お話の後半にはマジシャンの「マジマジさん」が登場。ゴミの分別ができる分別マジックを教えてくれます。さらに、この絵本にはマジックのやり方も書いてあり、子どもたちの前で隊長が披露すると必ず驚きの声があがります。読み聞かせが終わった後、先生が隊長のところに近づいてきて、「あのマジック、どうなっているんですか？」と質問されることもたびたびです。
ちなみに『もったいないばあさん』のシリーズは、キャラバンカーのなかにも全作積んであり、特製紙芝居や読み聞かせ用の大型絵本も用意しています。

駆け足で10冊を紹介しましたが、できることならば一冊一冊、その魅力を語り尽くしたい絵本ばかり。「おはなし隊」の隊長たちが、子どもが喜ぶことを第一に考えて選んだ絵本の数々、ぜひ参考にしてくださいね。

1999 年７月に、講談社創業 90 周年事業としてスタートした社会貢献事業。これまで2007年 第55回菊池寛賞、2018年公益社団法人企業メセナ協議会「MECENAT AWARDS 2018」 メセナ大賞、などを受賞しています。

普段は全国の幼稚園・小学校を巡回することが多い「全国訪問おはなし隊」ですが、今回のように書店さんへの出張も行っています。近隣の都道府県に「おはなし隊」が来た際にお声掛けいただければ幸いです。

今後の訪問予定・応募要項などは「全国訪問おはなし隊」ホームページに掲載しています。