赤ちゃんが言葉を話すまで 「子どもの言葉と心」の劇的な変化と発達を専門家が解説

【子どもの言葉の発達】#1 赤ちゃんの中で起こっている言葉の発達について

〈『子どものこころの発達がよくわかる本』より〉
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子どもには「早く」いろいろなことができるようになってほしい、ネットで情報を集めては子育ての「正しい」「効率のよい」やり方を知りたい、という気持ちは、親なら心をかすめるもの。

そうした親の思いが、発達に合っていない先取り教育や、“こころ”が追いつかない態度を子どもに求めてしまうことになりかねません。

「こころの発達は、からだの発達と深く関係している」と、著書『子どものこころの発達がよくわかる本』で語っている、青山学院大学教育人間科学部心理学科教授・坂上裕子(さかがみ ひろこ)先生に、“こころとからだ”の発達についてうかがいました。

今回は、“言葉”に特化して、年齢別に親子のコミュニケーションについて、全3回で教えていただきます。

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0歳から非言語コミュニケーションは始まっている

──今回は、“言葉”に特化して教えていただく、ということでしたが、「0歳から始まっている」とうかがって驚きました。まだ“言葉”を発しないうちから、親子のコミュニケーションは始まっているのですね。

坂上裕子先生(以下坂上先生):そうですね。赤ちゃんは視覚や聴覚、触覚などの五感をフルに使って周囲の世界を知ろうとしています。まだおしゃべりができないので自分の意思を言葉で伝えることはできませんが、向けられる表情、声色や口調の変化、だっこされたときや触れられたときの感触を通じてさまざまなことを感じとり、からだを使って応えています。

──赤ちゃんとコミュニケーションをとる場合、どの部分に注目すればよいのでしょうか。

赤ちゃんとのコミュニケーションで大事な3点

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