【ニッポンの小麦粉料理】「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん 

もったいない・つづけられる・伝統食! #2【小麦粉】「ゆでて・焼いて・蒸して楽しむ小麦粉料理」

ライター・料理家:越野 美樹

小麦粉をこねてのばして楽しいお料理の出来上がり! 左下:ほうとう 中央上:中華クレープ 右下: お焼き 写真:越野美樹

ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」。具体的な実践方法を交えてお伝えします。

2回目のテーマは、「小麦粉」。

子どもとこねて作るほうとう、薄く焼いておかずを巻く中華クレープ、生地で具を包んで蒸し焼きにするお焼きの3品をご紹介します。

思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。

「MOTTAINAI」  台所から未来の子どもを支えるごはん 全7回を読む

もったいない! 小麦粉料理は自分で作るとたっぷり美味しくいただける

娘が作った地粉のマカロン。自分で作ればたっぷり食べられて、大満足! 写真:越野美樹

最近、食品の価格が急激に高騰して、小麦粉を使ったお菓子やパンなどもびっくりするような価格で、思わず手が引っ込むこともあります。

我が家は、食べたいものをたくさん食べるために、手作りすることが多いです。

「あれ食べたい!」と思ったらメモをしておき、すぐには作れないけれど、時間ができたときに作ります。

先日、山梨に旅行に行き、お土産屋さんで売っていたほうとうもびっくりするような価格でしたが、せっかくなので購入しました。

1人前ずつ食べてもなんだかお腹いっぱいまではいきませんでした(食いしん坊の我が家だけなのでしょうか……)。

自分で作れば、手間はかかりますが、お得な価格で満足いくまで食べられます。

また、家にある半端なお野菜なども無駄なく使えて、一石二鳥です。

ほうとうは、粉を練って、のばして、切って……お子さんと一緒に楽しく作ることができる粉料理。

小麦粉はお米よりも短時間で火が通り、消化良く食べられ、子どもも大人も大好きな料理が作れます。

ほうとうには中力粉がおすすめですが、まずは小麦粉の種類を知ってから作ってみましょう。

小麦粉の種類と使い方を知る

小麦粉の種類によって、使い分けてみましょう。 写真:越野美樹

強力粉 硬質小麦を使っていて、グルテンが多い強力粉は、弾力があってパンやピザ、餃子の皮などに最適。    

中力粉 準強力粉ともいわれていて、小麦の硬さと弾力が中間。うどんなどに使われます。    

薄力粉 軟質小麦を使っていて軽い仕上がりになるので、ケーキやお菓子、天ぷらなどに使われます。  

日本では昔から中力粉の材料である硬質小麦と軟質小麦の中間の品種が多く栽培されてきて、「地粉(じごな)」と呼ばれています。    

小麦粉を使った食品は、私たちの生活にはなくてはならないもの。そのほとんどを輸入に頼っていますが、我が家では、国産の地粉を使うことが多いです。  

国産の小麦は収穫後に農薬を使うことが禁止されているので、ポストハーベストの心配もなく、安心していただけます。    

ほうとうは中力粉がおすすめですが、手に入りやすい薄力粉でも作れますし、薄力粉に強力粉を混ぜて作ることもできます。    

以前、たくさんの小さいお子さんとの料理教室をしましたが、粉料理は子どもが喜ぶお手伝いランキング1位ともいえる、楽しい作業です。    

ぜひ、お子さんと一緒に楽しく作ってみましょう。

基本の手作り「ほうとう」のレシピ

ふうふう言いながら食べると、体の芯から温まりますよ。お野菜やお肉は家にあるもので大丈夫です。 写真:越野美樹

【材料】4人分
中力粉 200g
豚切り落とし肉 100g
油揚げ 1枚
にんじん 1/4本
大根 3cm分
白菜 2枚
かぼちゃ 1/8個
日本酒 大さじ1
醤油 大さじ2
みそ 大さじ2

【お手伝いポイント】
ほうとうをこねて、のして、切って、お鍋に入れるのを手伝ってもらいましょう。

【作り方】
1. ボウルに中力粉と水100ml(分量外)を入れてよくこね、まとめてラップで包み、15分以上寝かせておく。

2. 油揚げは短冊切りに、にんじんと大根はいちょう切りに、白菜はざく切りに、かぼちゃは一口大に切る。

3. 大きめの鍋に1リットルの水(分量外)を入れ、油揚げ、にんじん、大根を入れて中火にかける。沸騰したら豚切り落とし肉、白菜、かぼちゃを入れて再度沸騰したら弱火で煮る。

4. 1を、中力粉(分量外)をふった台の上に出してめん棒で3〜5mm厚さの長方形にのばす。粉をふって全体に広げ、三つ折りにしてスケッパーで切る(まな板の上で包丁で切ってもOK)。

薄くのばせば10分ほどで火が通ります。厚めのときは、15分以上煮てください。 写真:越野美樹

5. 3を中火にして沸騰したら4をくっつかないように入れ、沸騰したらフタをして10分ほど煮る。

煮立ったところに麺を入れるとくっつきにくいので、大きめの鍋がおすすめ。鶏肉やえび、ごぼう、きのこ、ねぎ、玉ねぎ、キャベツなど、家にある具材でどうぞ。 写真:越野美樹

6. 日本酒、醤油を入れて5分ほど煮たら味噌を加えて火を止める。

出来立てもいいですが、山梨では翌朝汁を吸ったほうとうが好きという方も多いそうです。たっぷり作って翌朝まで楽しんでください。

麺をのすのが面倒なときは、ちぎってお鍋に加えて、すいとんにしても。

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