留守番中の子どもを守れ 防犯アナリストが「防犯対策」を伝授!

防犯ママが教える「夏休みの防犯対策」#1

一般社団法人日本防犯学校副学長・防犯アナリスト:桜井 礼子

子どもを守る! 留守番時の防犯対策3ヵ条

ここからは、留守番時の防犯対策について具体的に解説していきます。そもそもですが、なるべく小学校低学年の子に留守番をさせないこと。できれば、小学生の間は留守番させないで欲しいです。それでも、どうしても子どもに留守番させなければいけない場合は、下記の防犯対策を行いましょう。

1.玄関や窓の鍵は必ず全てかける。

外出時だけではなく、留守番時も徹底して施錠を。 写真:アフロ

鍵をかけるのは防犯の基本です。また、ドアチェーンやドアガードがあれば、それもしっかりかけておくようにしましょう。

マンションなどの場合、建物の出入り口にオートロックがあるから家の鍵はかけていないという方がたまにいらっしゃいます。しかし、オートロックがあるからといって安心はできません。住人と一緒に入る、業者を装って入る、盗み見した暗証番号で入るなど、犯罪者は様々な手口を使ってオートロックをすり抜けるからです。

また、小窓には鍵をかけないという方も多いでしょう。ですが、20cmの幅でも人が通り抜けできてしまった例もあります。思ったより小さいのではないでしょうか。小さな窓であっても、しっかり鍵をかけておくことが大切です。

2.インターフォンや電話には出てもらう。

「インターフォンにも電話にも出なくていい」と子どもに教えている方も多いのではないでしょうか。しかし、居留守は危険です。理由は、空き巣犯と子どもが鉢合わせしてしまう可能性があるから。過去にはそうした事例も実際に起きています。

空き巣犯は、人がいないことを確認するために、事前にインターフォンを鳴らしたり電話をかけたりします。空き巣犯に「家に人がいますよ」と伝えるためにも、子どもにはインターフォンや電話には出てもらうようにしてください。

その際は、下記のフレーズを言ってもらうようにしましょう。

■インターフォンの場合:「お母さんは、いま手が離せないので、後で来てください」
■電話の場合:「お母さんは、いま手が離せないので、後でかけてください」


もし覚えられなかったら、このフレーズを紙に書いて、インターフォンの受話口や電話機のそばに貼っておきましょう。

3.帰宅時は、家に誰もいなくても「ただいま!」と言う。

鍵っ子狙いの犯罪者が、“ある行為”をした子はターゲットから外したと証言しています。それは、「ただいま」と言って家に入った子。この一言で「家族がいる」と判断し、その子は襲わなかったと言います。

ですので、家に誰もいなくても、「ただいま!」と大きな声で言って帰宅させてください。どの時間帯に犯罪者が狙っているかわかりませんので、できれば「いってきます」も言うようにしてもらうと、なお良いです。

日頃からの防犯習慣が重要

防犯対策は、習慣として行っておくことが大切です。今回ご紹介した、帰宅時に大きな声で「ただいま」と言う対策も、日頃から家庭で習慣にしておけるといいでしょう。

そのためには、まずは親がお手本を見せてあげてください。お母さんもお父さんも、家に誰もいなかったとしても、「ただいま」と言って帰宅するようにしてみてくださいね。親の行動を見れば、子どもも自然と真似てくれるようになるでしょう。こうしたちょっとした積み重ねが、大切な子どもを守る防犯につながるのです。

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取材・文/阿部雅美

19 件
さくらい れいこ

桜井 礼子

Reiko Sakurai
一般社団法人日本防犯学校副学長。防犯アナリスト。

「日本初の女性防犯アナリスト」として防犯界の第一人者、予知防犯提唱者の梅本正行氏に16年間師事し、事件現場の検証と取材に携わる。女性・母親・高齢者の親を持つ立場で生活者と同じ目線に立ち、自分自身で出来る防犯対策を始め、子供と高齢者・女性を守る防犯対策を分かりやすく解説。社会的弱者を犯罪被害から守る予知防犯を提唱する活動を展開している。現在、日本防犯学校学長の梅本正行氏とともに、YouTubeチャンネル「梅と桜の防犯チャンネル」にて、防犯に特化した情報を発信中。 YouTubeチャンネル「梅と桜の防犯チャンネル」

「日本初の女性防犯アナリスト」として防犯界の第一人者、予知防犯提唱者の梅本正行氏に16年間師事し、事件現場の検証と取材に携わる。女性・母親・高齢者の親を持つ立場で生活者と同じ目線に立ち、自分自身で出来る防犯対策を始め、子供と高齢者・女性を守る防犯対策を分かりやすく解説。社会的弱者を犯罪被害から守る予知防犯を提唱する活動を展開している。現在、日本防犯学校学長の梅本正行氏とともに、YouTubeチャンネル「梅と桜の防犯チャンネル」にて、防犯に特化した情報を発信中。 YouTubeチャンネル「梅と桜の防犯チャンネル」