オランダの性教育は5歳から! 「LGBTQ先進国」の多様性・個人の尊重

海外の子ども・生き方がわかる! 世界の子育て01「オランダ」後編 性教育先進国・オランダの教えはマインドと相手へのリスペクト

阿部 真奈美

オランダにはクリスマスが2回!? サンタクロースならぬシンタクラースとは

多様性あふれる、オランダ人の結婚観、働き方、教育と紹介してきましたが、最後は、「オランダにはクリスマスが2回あるらしい」という噂の真相に迫ります。

12月25日のクリスマスといえば、イエス・キリストの降誕祭(キリストが生まれてきたことをお祝いする日)。本来はキリスト教のお祭りですが、もはや宗教を超えて楽しまれているイベントです。世界中の子どもたちが、プレゼントをかつぎ、トナカイでやってくるサンタクロースを心待ちにしています。
もちろん、オランダでもクリスマスには街中が華やぎますが、実は、サンタクロースのライバルともいえるキャラクターがいるらしいのです。

「12月5・6日に行われる子どものお祭り、『シンタクラース祭』の主要キャラクター『シンタクラース』です」(ペータス全権公使)。

名前がそっくりなサンタクロースとは、起源となった人物が同じ聖ニコラスとも言われていて、見た目もサンタクロースにそっくり!
ただ、宗教的な背景が残るクリスマスとは異なり、シンタクラース祭は宗教から離れ、生活や文化に基づいたお祭りとして今に伝わっています。オランダでは11月中旬から関連行事が行われ、テレビ番組もあるほどです。

「栄光の夜(プレゼントの夜)」と呼ばれる12月5日の夜は、シンタクラースがカドーチェ(“ちょっとした贈り物”という意味。子どもたちにはおもちゃ)を持ってくるという風習があります。
その晩の子どもは、シンタクラースのお供の馬のために、靴にニンジンを入れ、その近くに水を置いて眠ります。翌朝目を覚ますと、その靴にお菓子やプレゼントが入っているんです」(ペータス全権公使)。

シンタクラース祭に食べる定番料理は特にありませんが、定番のプレゼントとして、シンタクラースをかたどった大きなクッキー、ジンジャーブレッド、チョコレート、マジパン等が人気だといいます。

大人でもうれしくなりそうな、お菓子のプレゼント
画像提供:駐日オランダ王国大使館
© Rijksoverheid / オランダ政府

「オランダでは、宗教や国籍・人種を問わず、国を挙げてシンタクラース祭を待ち望んでいるんです。プレゼント交換もしますし、子どもたちにとっては、その年の自分の行いを振り返る日でもあります」(ペータス全権公使)。

厳密には、クリスマスが2回来るわけではありませんが、クリスマスと同様の盛り上がりを見せるイベントが、毎年12月に続けてあるとは!
このことだけでも、オランダはやはり「子どもが幸せな国」だと思ったのは私だけでしょうか。

国籍、宗教、結婚、性、働き方、教育等々、社会のあちこちに多様性が存在する他民族国家オランダ。国民はフレキシブルに自分の生き方をアレンジしながら個々の幸せを追い求め、国はそんな国民をサポートすべく、フレキシブルな法や制度、環境を整えています。
この先も国民に寄り添いながら、時代とともにオランダがどう変化していくのか楽しみです。


第1回「世界一子どもが幸せな国」オランダから学ぶ 日常の中の“多様性&フレキシビリティ”

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あべ まなみ

阿部 真奈美

ライター

ライター。1976年生まれ、宮城県在住。旅情報誌やグルメ記事、インタビュー記事を中心に執筆。 韓国への留学経験を生かし、最近はゲーム...