2021.01.28

『アントンせんせい おでかけです』読み聞かせのコツ

読み手 ━━おはなし隊隊長 宮田桂子

※この記事は、講談社絵本通信に掲載の記事を再構成したものです。
 

キャラバンカーに本をたくさん積んで、全国47都道府県におはなしを届ける「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。
幼稚園や保育所、小学校や図書館、書店など様々な訪問先で、おはなし会を重ねてきたおはなし隊の隊長さんが、子どもたちに人気の絵本の読み聞かせのコツをお教えします!

子どもたちに表紙絵を見せると、いち早く「アントンせんせい、知ってる-!」と声が上がります。

表紙絵を見せながら、タイトルと作者名、出版社名をゆっくり読みあげます。

『アントンせんせい  おでかけです』
作:西村敏雄  講談社  

「自転車だ~!」
早く、早く読んで……と、子どもたちの目が訴えてきます。

子どもたちみんなに、絵本の絵が見えていますか。
本はぐらぐらしないように、写真のようにしっかり持ってくださいね。
では、はじめましょう。

本はぐらぐらしないように、しっかり持ちましょう。練習しておくといいですね。

アントンせんせいは、どうぶつの おいしゃさんです。

アントンせんせいは どんなに いそがしくても
どうぶつたちに やさしく して くれるので
みんな せんせいの ことが だいすきです。

 

ある日、ヤギさんから手紙が届きました。

「きょうの よる いえに きて ください。」

心配になった先生は、ヤギさんの家に自転車でギ~コ、ギ~コと走ります。

自転車ではしるアントンせんせい。『アントンせんせい おでかけです』より

「せんせい、ちょっと   みて  もらえませんか。」
と呼び止めらたアントン先生は、
「だれですか~。」

ここで、子どもたちは俄然張り切ります。声の主を探そうと、必死になります。
このページは右端、真ん中、左端の子どもたちにゆっくり見せてあげます。子どもたちの目はひたすら絵に釘付け。

「あっ、あそこにカメ!」

次のページをめくり読みます。答えを見つけた子どもたちは、得意顔です。
先生はやさしく手当てをして、
「これで だいじょうぶ。おだいじに!」

声がきこえて、足をとめます。 『アントンせんせい おでかけです』より

「てんてい、とっと めて もらえまてんか。」
どこかで こえが します。

葉っぱのかげにいるのは……
子どもたちがさがせるように、ゆっくり見せてあげましょう。

おや? 今度はだれでしょう。 『アントンせんせい おでかけです』より

「いたいよ-、いたいよ-。」
どこかで こえが します。


木のうしろにいるのは……
このページもゆっくり見せてあげましょう。

これらのページは、ゆっくり見せてあげて、子どもたちとのふれあいを楽しんでください。
そのとき、絵本に書いてある文章のみを読むようにします。

空が暗くなってきて、アントン先生は木にぶつかり
「ガシャ~ン ビュ~ン」

ここは勢いよく読みます。

モグラの穴にはまるシーン、
「ズボッ」
は間の抜けた感じで読めるといいですね。

途中で手当てをしてあげた動物たちに助けられ、一緒にヤギさんの家に向かいます。

どうぶつたちが集まって、お祝い。アントンせんせいもうれしそう。 『アントンせんせい おでかけです』より

扉を開けると……
「ハッピー バースデー アントンせんせい!」

動物たちが集まって、先生の誕生日をお祝いしてくれました。
いつもいそがしいアントン先生は、誕生日をすっかり忘れていました。ケーキやプレゼントもあって、とてもハッピーな1日になりました!

最後のページ、誕生日プレゼントの帽子をもったアントン先生は、とてもうれしそうですね。
裏表紙には、その帽子をかぶったアントン先生がいます。似合っていますね。
それもゆっくり見せてあげましょう。

楽しい終わりとアントン先生のやさしさに、子どもたちの表情は明るく、楽しんだようすがうかがえます。
そして、満面の笑みの子どもたちから、「もういっかい!」と、アンコールが出ました!

●今回読んだ本

子どもたちに人気のシリーズです。読み聞かせてあげるなら、3歳から。ひとりで読むなら、6歳から。

『アントンせんせい  おでかけです』
作:西村敏雄  講談社  

●もっと読んでほしい子に

「アントンせんせい」シリーズ第一作め。こちらから読んであげても。

『アントンせんせい』
作:西村敏雄 講談社

「アントンせんせい」シリーズ第三作め。

『アントンせんせい あかちゃんです』
作:西村敏雄 講談社

「全国訪問おはなし隊」ってなあに?

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。
2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。
スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね! 

「全国訪問おはなし隊」のキャラバンカー第1号