2021.09.02

モンテッソーリ保育園を選んだ絵本作家の 子どもが好きな絵本3冊!

ただいま絶賛子育て中 きいてみよう! 絵本作家のえほんばこ〜コンノ ユキミさん〜

著者:コンノユキミ

素敵な絵本を生み出している絵本作家さんたちは、絵本を通して子どもたちとどのような時間を育んでいるのでしょう? その素敵な“物語”をご紹介します! 今回は、コンノ ユキミさんの登場です。

(「たのしい幼稚園」10.11月号(2021年9月1日発売)掲載)より

絵本は私にとって子どもたちとのコミュニケーションツールの一つ。
どんなに怒ってしまった日でも、絵本を読めば終わり良し。
「今日もいい日だったな」と思えるんです。

好奇心旺盛な息子

小学2年生になる息子は好奇心の塊のような子どもで、面白そうなことがあると、なりふり構わず突っ込んでいくところがあります。元気がいいのは嬉しいのですが、子育てする身としてはちょっと大変ですね。

絵本も、読むと好奇心がムクムク湧くようで、すぐに真似したがります。小さい頃は『ぎょうれつ ぎょうれつ』という一冊が大好きでした。男の子がつみきや本、おもちゃなどをおかあさんのところまで並べていく、というお話なので、真似して家じゅうの物を並べていました。

絵本では最後、おかあさんのところにたどり着いた男の子をおかあさんは「だーいすきよ」と抱き上げるんです。私も同じように「すごいね、大好きよ」と褒めていました(笑)。後片付けは大変でしたが(笑)。

コンノ ユキミさんのおすすめ絵本❶ 『ぎょうれつ ぎょうれつ』

『ぎょうれつ ぎょうれつ』
絵と文●マリサビーナ・ルッソ 訳●青木久子
定価●1430円(税込)
発行●徳間書店

子どもは散らかすだけではなく
並べるのも好きなんだと実感


「ごはんですよ」とおかあさんに呼ばれたサム。つみきや本、おもちゃなどを並べて、おかあさんのいるところまで“ぎょうれつ”しようとします。「息子が3歳になる頃まで、何度も読んだ1冊。身近なものを題材にしているので親しみやすかったよう。真似してたくさん並べすぎて、片付けるのが大変でしたが……」(コンノさん)

食べ物が好きな娘

保育園の年中になる娘は、食べ物に関心が強く、絵本もパンとかケーキが出てくるものが大好き。最近お気に入りの『あらいぐまとねずみたち』もたぶん、じゃがいもがたくさん出てくるので食いついたのだと思いますが、物語も気に入ったようです。

あらいぐまの家からねずみたちがいろいろなものを盗み、それを見つけてあらいぐまがものとても怒る、という場面では、怒られているねずみに共感したのかもしれません(笑)。

でも、その後あらいぐまはねずみたちの話をよく聞いて、彼らが自立できるよう力を貸してあげるんです。そんな優しさにも共感しているんじゃないかな、とも感じています。

コンノ ユキミさんのおすすめ絵本❷ 『あらいぐまとねずみたち』

『あらいぐまとねずみたち』
作・絵●大友康夫
定価●990円(税込)
発行●福音館書店

あらいぐまの懐の深さに
感銘を受けます!


ねずみたちにいろいろなものを盗まれて、怒ったあらいぐまですが、よく話を聞くと食べ物がなくて困っているよう。そこでねずみたちが自立できるよう、一緒にじゃがいもを植え、家を建ててあげます。「家をトンカンと作るシーンも、できあがった家の中も、眺めているだけで楽しく幸せな気持ちになれるようで、息子も娘も大好きな絵本です」(コンノさん)

私も通ってみたい モンテッソーリ

子どもは2人ともモンテッソーリ教育の保育園です。入園を決めた理由は、見学に行ったとき、使っている教具が綺麗だったから。「子どもは綺麗なものに惹かれる。それが子どもの“やってみよう”を引き出してくれる」それを聞いて、「私も通ってみたいなあ」と思いました。

私は普通の幼稚園に通っていたのですが、もともと絵を描くのが好きだったのもあって、大学でデザインを専攻しました。それを生かした仕事を考えたとき、「広告は向いていないな。それより絵本を描けたらいいな」と思い、まずはイラストレーターとして活動を始めました。

その中で児童書の装画をよく手がけていたところ、私の作品を見てくれた編集者の方が絵本の仕事をくださって。最初に描いたのが、おかたづけの仕掛け絵本『バラバラ ピタッ!』でした。子どもたちも私の絵本が大好きで、お友達が遊びに来ると宣伝するかのように一緒に読んでいます(笑)。

親が葛藤している姿を 見せてもいいと思う

子どもたちには、常に自分で考え、選択し、行動してほしいと思っています。そのためにも、心のコントロールができる人になってほしい。人生は、悲しみ、怒り、無力感など、マイナスな心理状態になるときが絶対にあるもの。そのとき自分の心に潰されず、前に進む力を身に着けてほしいんです。

そういう意味では、『くんちゃんのだいりょこう』は、子どももですが、私のほうが好きな1冊かもしれません。南の国に行きたいというくんちゃんを、「やってごらん」と見守るお父さんぐまとお母さんぐま。この両親のもとで、くんちゃんは自分で選択し、行動し、失敗して気づき、そしてどうしたら良いかを考え、物事を体得していく。

私もこんなふうに子育てができたらなあ、と憧れています。子どもも自分が認められているとわかると、大人になったとき自信を持って外に出ていけると思います。

コンノ ユキミさんのおすすめ絵本❸ 『くんちゃんのだいりょこう』

『くんちゃんのだいりょこう』
作・絵●ドロシー・マリノ 訳●石井桃子
定価●1100円(税込)
発行●岩波書店

子育て中の親にとっても
魅力的な絵本です


南へ渡る鳥たちを見て「ぼくも みなみのくにへ いっていい?」と言う子ぐまのくんちゃん。お父さんぐまとお母さんぐまは、心配しながらも温かくくんちゃんを送り出します。「お父さんぐまの『やらせてみなさい』という言葉がとても心に響きました。どこかモンテッソーリの理念に近いものを感じています」(コンノさん)

読み聞かせの後につたえる 魔法の言葉

とはいえ親だって完璧じゃない。どうしても子どもに対して感情的になって、後悔することはあります。ただその後、フォローをしたり謝ることが大事だと思っています。

だから私は毎晩、絵本を読み聞かせた後、必ず「生まれてきてくれてありがとう。世界で一番の宝物だよ」と言って、子どもたちの名前を呼んでいます。そうすると、どんなに怒っていた日でも不思議と心が穏やかになり、「今日もいい日だったな」という気持ちになる。

そんなふうに親も葛藤している姿を見せることで、子どもたちの心にも何か残るものがあるはず。今後、心が折れそうになることがあっても踏みとどまれるような人になってくれたらな、と思っています。

コンノ ユキミさんの新刊絵本『おきがえ できるかな?』

『おきがえ できるかな?』
作●コンノ ユキミ
発行●講談社
定価●1210円(税込)

おきがえのレッスンが
楽しくできる1冊です!

パンツ、したぎ、ながそで、くつした、ズボン、何色にしようかな。「身に着けていくものを1つ1つ選びながら読み進めてる、新感覚の穴あき仕掛け絵本です。日常の着替えの場面でも、どれにする? と、ぜひ声かけしてみてください!」(コンノさん)

取材・文/山本奈緒子

「たのしい幼稚園」最新号の紹介 はこちら

著者紹介

コンノユキミ

1978年生まれ。東京学芸大学美術科卒。つくば市在住。
主な作品に、「頭のいい子を育てるおはなし366」(主婦の友社)シリーズ装画、「たまひよ おうたえほん」(ベネッセコーポレーション)シリーズ装画、「みてさわっておぼえる あいうえおのえほん」「みてさわっておぼえる かずのえほん」(主婦の友社)、月刊絵本「チャイルドブックジュニア」装画[2014~2018年度](チャイルド本社)、『バラバラピタッ!』『おきがえできるかな?』(講談社)などがある。

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@konnoyukimi3