子どものいたずらの正しい注意の仕方と対策は? 発達心理学者が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#92 子どものいたずらは大目に見たほうがいいの?

教育学博士:渡辺 弥生

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「知的な好奇心がいっぱいな子」という言葉からは、どんなイメージを受けますか?

成長が楽しみな子という感じがしませんか?

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「子どものいたずらは大目に見たほうがいいの?」(1歳・男の子)

子どものいたずらは大目に見たほうがいいの?  写真/Adobe Stock

やりたい気持ちや好奇心が泉のようにわいてくる年齢

1~3歳の子どものいたずらは、まさにその知的好奇心からおきていること。

自分で操作してみたいという欲求の表れなのです。

これを「いたずら」と呼んで悪いことのように思うのは、それをされると困る大人から見た解釈だといえるでしょう。

たしかに、引き出しの中のものを出してしまうとか、パパやママが大事にしているものをさわるとか、食べもので遊ぶなど、目にあまることをします。

でも、これって誰かを困らせたくてやっているのではなく、いろんなものへの探究心からなんです。
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「いたずら」にはどう対応していけばいいの?

好奇心からおきていることだけに、「大目に見たほうがいいのかしら?」と迷うこともあるかもしれません。

でも、危険なことや、されると困ることもあります。

基本的にこの時期は、

★危険につながることや、すごく困ることは、それができないように予防しておくことが欠かせません。

そのうえで、もし子どもが想定外の行動をしたときには、

★「それは○○だから、ママは困るのよ」「○○すると嬉しいな」などと、困る理由をわかりやすく説明し、望ましい方向へ導いていくようにしていく。

★危険なことに対しては、たとえば、「これを引っぱると上のものが落ちてきて危ない」などと、可能なら実演も交えて、毅然とわかりやすく教える。

ただ、できればそれで終わりにするのではなく、

★その好奇心を満たしてあげられる、かわりになる遊びの場を作ってあげたいもの。

たとえば、コップの水をこぼして遊ぶときは、おふろタイムに楽しませる、壁に落書きするときは、大きな紙を用意するなどして、遊びとして満足させてあげるのです。

子どもは、いろいろなことに興味をもち、操作しながら学習していきます。

ママパパは目が離せなくて大変ですが、叱りつけてやめさせるのはほどほどに。

安全な環境を準備して、そのなかで、今、芽生えている好奇心を十分に発揮させてあげられたら最高ですね。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

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