幼稚園や保育園・周りになじめない子ってどうすべき? 育児の専門家が回答

こんなときどうする? 子育てQ&A#68「周囲になじめずにママパパにべったりな子。入園までになんとかしたい」

教育学博士:渡辺 弥生

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入園が迫ってくると「うまく親離れができるかな?」と不安に思う親ごさんは多いですね。

でも、1~3歳では、親ごさんがそばにいないと「ママ、パパ~」と後追いするのはごくふつうのことで、まず心配いりません。 

発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「周囲になじめずにママパパにべったりな子。入園までになんとかしたい」(2歳・女の子)

周囲になじめずにママパパにべったりな子。入園までになんとかなる?  写真/Adobe Stock

対応法は、その理由によってかわってきます

あまりにも周囲になじめず、ママパパにべったりで心配という場合は、その理由に応じた対応をしていってあげるとよいでしょう。

考えられる理由は多くの場合、次の二つです。

A=親ごさんと二人っきりで過ごすのが当たり前になっていて、ほかの人と一緒に過ごす経験が足りないケース。

B=親ごさんと離れるのが不安で、もうちょっとママに甘えていたいケース。

それぞれ対応法は少し異なりますが、どちらも時間をかけてゆっくり周囲に溶け込めるようにしていくことが大切です。

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ケースAは、人づきあいの機会を増やして

親ごさん以外の人と過ごす経験不足が背景にあることが多いので、知りあいを増やしてあげることがポイントです。

子どもと一緒にママパパ友や親戚、知人の家へいったり、遊びにきてもらう機会を増やしてみましょう。

そういう経験を重ねながら、ママパパ以外の人でも不安なく少しおしゃべりできる人を作っていくのです。

そして、この人なら大丈夫という人ができたら「台所にいるからね」と、ちょっとだけ子どもと離れてみます。

もちろん、甘えてきたときは受けとめてあげてください。

そうやってママパパが仲介しなくても大人や子どもを問わず、いろいろな人と過ごせるようになっていけば、もう心配はいらないと考えて大丈夫です。

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ケースBは、親子の絆をしっかり作ることから 

この場合は、自立を急がないことがポイントです。

ケースAとは逆に親子で楽しく遊ぶ時間を増やしてみましょう。

あせって突き放すと、ますますママパパと離れられなくなります。

ママパパの負担が増えますが、親子の絆は、この時期に十分に作っておくことが大事です。

数ヵ月のことだと割り切って、おばあちゃんなどに協力してもらい、家事などで手を抜くところを工夫し、意識的に子どもの気持ちに寄り添ってやってください。

甘えさせるというのではなく、子どもの欲求に応答していくことがポイント。

「~したいんだね」などと、しっかり受けてあげましょう。

「ママパパはいつでもそばにいて、自分に関心をもってくれている。そして何かあれば助けてくれる」と、心から安心できれば、自然とママパパから離れられるようになります。

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入園はゴールではありません。あせらずに

二つのケースの対応法をご紹介しましたが、ママパパが心配しすぎると、子どもも不安になります。

それに、入園直後はママパパから離れられなくて泣く子は多いものです。

入園は、子どもの成長のゴールではありません。

「入園までに」と区切るよりも、入園後も同じ対応を続けていきながら園と連携していけば、子どもはしっかり成長していけます。

入園準備は、ママパパにとっても大仕事ですが、ドンと大きくかまえて、子どものペースにあわせてゆっくり進めていってあげましょう。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経...

げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトで...