危ない! 子どものケガをまねく冬の家電【実例と対策を現役小児科医が解説】
ファンヒーターや加湿器で思わぬ事故! 現役小児科医テルの「子どもの救急相談室」#14
2024.01.12
小児科医:小児科医 テル
そんなテル先生による、子どもがかかりやすい病気や注意したい事故・身の回りの危険、気になる子どもの発達など、子どもの「もしも!」に備えるママパパ必見のヘルスケア情報をご紹介します。
寒い季節に気をつけたい病気やケガ。今回は、家の中での事故についてテル先生が解説します。
ファンヒーターの吹き出し口は70℃
国民生活センターの調査によると、吹き出し口から50cm離れたところの蒸気の気温では40℃以上、吹き出し口近くは最低でも70℃と高温です。
低温なら大丈夫かと思われるかもしれませんが、一番ひどいⅢ度熱傷になるまでの時間は、50℃で5~6分、70℃以上では1秒であっという間に重症化します。
さらに危ないのが、人感センサー付きファンヒーターです。
人の動きを察し、自動でスイッチが入るので節電には便利ですが、たとえばお昼寝していた赤ちゃんがそっと目覚め、ファンヒーターに近づいてしまうケースもあります。
実際にあった冬の家電がまねいた事故
・生後4ヵ月の赤ちゃんのケース
赤ちゃんはヒーターから2m離れた場所で寝ていました。30分後、親が様子を見に行くと、ヒーターから温風が出ていて赤ちゃんが泣いていました。赤ちゃんは頭、顔、耳にやけどを負いました。
・1歳1ヵ月の男の子
2歳の姉が加熱式加湿器の置かれた棚によじ登り、棚が倒れて、加湿器の熱湯が男の子の背中にかかりました。約65℃の熱湯がかかったと推定され、背中の10%がⅡ度の熱傷、1週間の入院治療となりました。
赤ちゃんは熱くても逃げることができません。使用中は事故防止のため、機器のチャイルドロックは必ずかけましょう。ヒーターを使わないときは電源、センサーはオフに。赤ちゃんから目を離すときは、ヒーターを別の部屋などに移動するなど対策をしましょう。
やけど、最初にすべきこと。
冷やすと痛みが和らぎ、皮膚の深いところで熱が伝わるのを防ぎます。
冷やすときのポイント
・流水や氷で冷やす
・冷やす時間は15〜30分前後。
・服を着たまま熱湯をあびた場合は、服の上から冷やす。
(全身を冷やす必要があるときは低体温に注意。)
やけどは症状がわかりづらく、深さは専門家でも判断が難しいこともあります。やけどの面積が広いときも危ないので、病院を受診しましょう。服の下にやけどが隠れていないか、確認も必要です。
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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小児科医 テル
総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU
総合病院に勤務する17年目の小児科医。「親や、子どもに関わる人たちに正しい医療の知識をしってもらいたい」と思い、2018年からInstagramを中心にSNSで、子どもの健康について情報発信している。 Instagram:https://www.instagram.com/shonikaikuji/ YouTube:https://www.youtube.com/@shonikaiTERU