5歳娘が発達支援センター受診 自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症が違和感の正体 〔『リエゾン』三木先生解説付き〕

「5歳娘の凸凹発見・成長実録記」#5 娘5歳4ヵ月ころの様子

就学相談の申請と療育変更へ

医師からの話によると、娘は明らかな知的な遅れはないものの、意思の疎通にコツがいるため、就学相談を受けたほうがいいとのこと。実際に支援級や通級が必要になるかはおいておいて、接し方に工夫が必要なことを小学校側に知っておいてもらうことが大事とのことでした。就学相談の申請の時期や方法も教えてもらい、就学への不安が少し減りました。

そして「行く意味があるんだろうか」と悩んでいた月1回の親子療育ですが、週1回に頻度を増やし、子どものみ参加する個別療育へ通うことを勧められました。

「特性に合った療育で就学に向けて準備をしていきましょう。この1年できっと変わるはずですよ」という医師の言葉。

しかし、医師が適切な療育先を選ぶわけではなく、自分で選ばなくてはいけません。

療育先の選定に悩むも娘の一声で即決

「気になるところに、まずは見学に行ってみるといいですよ」と、発達支援センターのスタッフさんに助言をもらい、帰宅後に療育施設のリストとにらめっこ。

集団療育や個別療育、運動に特化した施設や、学習に特化した施設など、いろいろな特色を持つ通える範囲の療育施設が20施設ほどあり、どこがいいかまったくわかりません。利用時間も施設によって違い、保育園と私の仕事の兼ね合いをどうするかも悩みました。

そこで、家から近く、午前中に利用できそうなところを2つピックアップし、見学予約を入れてみることに。

午前に療育を利用できれば、終わってから保育園に行けるし、給食にも間に合うだろう、と。送迎は大変ですが、自分の仕事と娘の療育を両立するにはこれがベストだと思ったのです。

娘に「今のところ(親子療育の施設)には、たまにしか行けないけど、先生と毎週遊べる所があるんだって! 行ってみない?」と聞いたところ、保育士の先生が大好きな娘は「うん!」と、快諾。

娘ちゃんに合う療育探しへ。  イラスト/オヨネ

早速、ひとつ目の施設の見学へ。ボールプールやトランポリン、たくさんのおもちゃと、案内してくれた優しい先生。全部を気に入った娘は、終始笑顔で「ここがいい! ここに来たい!」と強く熱望。遊びや運動など、充実した支援をマンツーマンや少人数で受けられるので、私も娘に合っているように思いました。

こうして通いたい施設は決定。施設が決まれば、次は療育施設に通うために必要な「受給者証」の発行手続きです。申請から3週間ほどかかりましたが、無事に受給者証が発行され、療育に通えることになりました。

療育先の見学や申請などでバタバタしているうちに、新年度を迎え、娘は年長に進級。保育園での最後の1年がついに始まりました。

【三木崇弘先生】
お子さんとしっかり見学に行かれたのはとても良かったですね。もちろんどこを目指して、何をしてくれるのかも大切なのですが、お子さん自身が前向きな気持ちで通える場所であることが大事だと思います。

凸凹成長実録記は全6回。
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『リエゾン―こどものこころ診療所―凸凹のためのおとなのこころがまえ』著:三木崇弘(講談社)
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