小説家や詩人になりたい 日記や感想文を楽しく書きたい人へ やなせたかしの愛弟子が教える画期的な文章レッスン〔作家・小手鞠るい〕

読む人の心を動かす詩、感想文、小説を書く方法

作家:小手鞠 るい

感想文が苦手な人への画期的なアドバイス

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Q.2 感想文が書けない、感想文が嫌いです、という子が多いのですが、何かアドバイスをくださいませんか。

A.2 画期的な感想文の書き方については『日曜日の文芸クラブ』に詳しく書きましたので、ぜひ、本書を読んでいただきたいと思います。でも、せっかくなので、ちょっとだけ種明かしをしておくと、感想文のキーワードは〈手紙〉です。

手紙には、宛先がありますね。手紙は必ず、誰かに向かって、書かれています。感想文がうまく書けないのは、自分がいったい誰に向かって文章を書いているのか、わからないままに書いているからです。言い換えると、本の感想を伝えたい相手がどこにもいないのに、書こうとするから。

あなたは誰に向かって「ねえねえ、こんな本を読んだよ。すごくおもしろかったよ」と、伝えたいのでしょうか。友だち? 先生? 司書の先生? 作家? 登場人物のひとり? 誰でもいいのです。あなたがいちばん感想を伝えたい相手に手紙を書くようにして、書いてみて。

日記を楽しく続けるコツは…

Q.3 日記って、書こうとすると嫌な気持ちになってしまう。書いたものをお母さんに見られそうでなかなか書けないです。

A.3 日記にはまず「楽しかったこと」「おもしろい出来事」「新しい発見」「感動したこと」「好きという気持ち」などを書きましょう。つまり、わざと、いいことだけを書く。悲しかったこと、くやしかったこと、悩み、悪口などは書かない。なぜなら、悲しみやくやしさや悩みや悪口は、書くことによって、それらが膨らんでしまうことがあるから。だから、意識して、いいことだけを書くのです。すると、いいことだって、どんどん膨らんでくれます。名づけて〈ポジティブ日記〉を、まずは書いてみましょう。

何もいいことがなかった? そんなはずはありません。いやなことがいっぱいあった日だった。落ち込んだ。けれど、すっごくいいお天気で、空がまっ青で、きれいだった。空に天使が住んでいるのかって思えた。→これを日記に書くのです。

お母さんに見られそうなのだったら、お母さんのいいところを、毎日ひとつずつ、書いてみるのはどうでしょうか。あなたの日記を読んだお母さんは、きっと幸せな気持ちになって、ますます優しいお母さんになってくれるかもしれませんよ。

『日曜日の文芸クラブ』には、日記帳と友だちになる方法についても、書きました。わたしは、悲しいことやくやしいことがあったとき、人間の友だちじゃなくて、日記帳に打ち明けたり、相談したりしていることがよくあります。あなたもやってみませんか。これは〈日記悩み相談室〉ですね。〈ポジティブ日記〉に飽きたら、あるいは、卒業したら試してみて。でも〈ネガティブ日記〉だけはやめておきましょう。

小説って誰にでも書ける?
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