「全国訪問 おはなし隊」と「いすゞ自動車」がイベントで「がったい!」

お笑い芸人トム・ブラウン出演の絵本「がったい!」も大人気

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

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2024年11月10日に神奈川県横浜市の「いすゞ自動車首都圏株式会社」横浜支店で行われた社員家族・子ども向け職場体験イベントに、今年25周年(1999年スタート)を迎えた「全国訪問 おはなし隊」(主催:講談社)も出展。約300人の参加者が、約60社550冊あまりの絵本を積んだキャラバンカーや、隊長たちによる「読み聞かせ」を楽しみました。読み聞かせでは、いま話題の絵本「がったい!」(出演:トム・ブラウン、作:こにしけい・たなかけんた、絵:萬田翠。講談社刊)も人気を集めていました。その模様をレポートします。

「いすゞ自動車」と「おはなし隊」の知る人ぞ知る関係

実は今回、イベントにお邪魔した「いすゞ自動車」さんと「おはなし隊」は知る人ぞ知る関係です。というのも、今、この瞬間も全国を走り回っている2台のキャラバンカーは「いすゞ自動車」製なのです。車のサイド部分に両開きの大きな扉が設置され、扉を開くと、小さなお子さんがキャラバンカーに乗り降りできるように、階段がせり出す特別仕様。階段を上れば、約550冊の絵本が並ぶ本棚が出迎えてくれます。

2万3000回にわたって子どもたちに絵本とおはなしを届けてきました。延べ走行距離は約111.8万kmを超えました(2020年3月)。地球一周の距離は約4万Kmですので、すでに地球を約28周したことになります。

扉を開くと、内側にはあべ弘士さんが描かれた「あらしのよるに」のイラストが

当日のイベントには、地元企業の崎陽軒さんや山崎製パンさん、江ノ電バスさんなども参加されていて、それに、いすゞ自動車首都圏の社員の方たちが企画した「豆つかみ」「握力測定」「3ポイントシュート」などのレクリエーションが加わります。そうしたイベントをスタンプラリー形式で回ると、獲得ポイントに応じて豪華賞品が当たるという仕組みです。

初めて紙芝居を見たというお子さんも

「通常は1回約30分で行っている『おはなし隊』の読み聞かせですが、今回は多くのイベントを体験したい参加者の皆さんのために、15分の短縮バージョンを6回繰り返すことにしました。読む本は、集まったお子さんの年代などを見ながら、その都度替えています。絵本を読んだ後は大型の紙芝居を読むのですが、紙芝居を初めて見たお子さんもいたりして、各回とも大盛況でしたね」(「おはなし隊」事務局の佐藤陽子さん)

紙芝居の仕組みが珍しいようで、裏側を除こうとするお子さんも

なかでも人気だった一冊が冒頭でも触れた「がったい!」。すでにテレビやSNSでも話題になっている同書ですが、トム・ブラウンの奇想天外なネタを絵本にしています。
たとえば……

「パンチンパンジー」に子どもたちの歓声が!

パンを5つ がったいさせて
さいきょうのパン キングパンを
つくりたいんですよー

パンです パンです パンです
パンです チンパンジーです

がったい!!!!

パンとチンパンジーが「がったい!」したら、どんな姿に変身するのか!?
ページをめくると現れる「パンチンパンジー」に、読み聞かせに参加していたお子さんからは歓声が上がっていました。

社長さんの飛び入り参加も

読み聞かせを行っていない時間帯は、参加者が自由にキャラバンカー内の絵本を手に取ってもらえるようにしていましたが、思わぬ訪問者も。
「いすゞ自動車首都圏株式会社」の中村治代表取締役社長です。
会場内にいる社長・支社長を見つけて名刺交換すると、ポイントがもらえる「社長・支社長を探せ!」とイベントがあり、たまたま「おはなし隊」のキャラバンカーにも立ち寄ってくださったのでした。

キャラバンカーの中で『ぐりとぐら』の絵本を手に取る中村社長

「自分が子どものころに読んだ絵本や、子どもが小さいころに読んだ絵本がいっぱいありますね。いすゞ自動車首都圏としても、こういう活動に協力させていただいていることをもっとアピールしていこうと思います」
『ぐりとぐら』(作:なかがわりえこ、絵:おおむらゆりこ。福音館書店)を懐かしそうに手に取りながら、中村社長が話してくれました。

イベント終盤の空には虹が

午前10時から午後2時まで6回の読み聞かせに参加したのは親御さんも含めて79名。それ以外の時間帯でも、何度もお父さんの手を引っ張ってキャラバンカーまで連れてきては「絵本、読んで」とせがむ、「リピート客」のお子さんもいらっしゃいました。

「いすゞ自動車さんのイベントだったので、車関連の絵本を読んだりしましたが、お子さんたちがストーリーに合わせて声を上げてくれたりして、盛り上がりました。私たちも楽しく過ごせましたね」(読み聞かせを担当した「おはなし隊」の渡邉達夫隊長)
「お子さんたちが、こちらが読んでいるお話に集中しているのが伝わってきました。途中、雨が降る場面もありましたが、雨上がりには虹も出て、印象的なイベントになりました。来年もぜひお邪魔したいです」(同・黒澤令子隊長)

「もったいないばあさん」の身体から飛び出したかのような美しい虹が

「癒やしのブースでした」

最後に、今回のイベントを企画した「いすゞ自動車首都圏」総務人事部の柿澤佳代子さんが、こう締めくくってくれました。
「社員やその家族を対象にした、全体的に癒やしのイベントではありましたが、特に『おはなし隊』の移動図書館(キャラバンカー)は癒やしブースでした。読み聞かせのときのお子さんのリアクションに臨機応変に対応されている姿などは、やはりプロだなと感じて見させていただきました。ぜひ、またいらしてください」

本とあそぼう 全国訪問 おはなし隊とは
1999 年7月に、講談社創業 90 周年事業としてスタートした社会貢献事業。これまで2007年 第55回菊池寛賞、2018年公益社団法人企業メセナ協議会「MECENAT AWARDS 2018」 メセナ大賞、などを受賞しています。

普段は全国の幼稚園・小学校を巡回することが多い「全国訪問おはなし隊」ですが、今回のように企業さんのイベントへの出張も行っています。近隣の都道府県に「おはなし隊」が来た際にお声掛けいただければ幸いです。

今後の訪問予定・応募要項などは「全国訪問おはなし隊」ホームページに掲載しています。

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ほんとあそぼう ぜんこくほうもんおはなしたい

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。 2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。 スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね! https://ohanashitai.kodansha.co.jp/ X(旧Twitter):@ohanashitai55 Instagram:@kodanshaohanashitai

たくさんの絵本を積んだ2台のキャラバンカーで各都道府県を巡回し、幼稚園、保育所、小学校や図書館、書店などを訪問している、「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」。1999年7月に、講談社90周年記念事業として、スタートしました。 2007年には第55回菊池寛賞、2018年には、メセナ大賞にも選ばれました。 スタートして以来、通算2万2000回以上の訪問、190万人を超える参加者のみなさん、ありがとうございます。次はあなたの町でお会いできるかもしれませんね! https://ohanashitai.kodansha.co.jp/ X(旧Twitter):@ohanashitai55 Instagram:@kodanshaohanashitai