6巻目でやっと100万部突破!「あらしのよるに」ヒットまでの苦労の8年と、20年ぶりの新作を語る【作者対談】

OMO7旭川 by 星野リゾート スペシャルトークショー 後編 (4/4) 1ページ目に戻る

時代を反映させた世界観、まだまだ話は続くよ

──お話は最初のシリーズでいったん完結していますが、また次のシリーズに突入しています。今後の構想などお聞かせください。

きむら:
全7巻が出て、「もう書かないぞ」と思っていたんですが、次の編集の方が、また「何か出せ」って言ってきたんですよ。1994年に書いたときと現在では世界が変わってきていています。いまの時代だからこそ、世界中の人に読んでもらいたい、という思いはあります。

それぞれの国の制服を脱いだら、ただの人じゃないですか。子どもがいて、自分の家庭があって、人間同士のつきあいがある。友情を信じていれば、あらゆる困難にも打ち勝ち、新天地に向かうことができる、と思っています。

左:『新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに』 右:『新あらしのよるにシリーズ(2) あたらしいかぞく』

また、ヤギのメイがオスかメスかという話も、メスとは、オスとはこうだから、という概念が変わってきている。どんどん自由になってきていて、あらゆるものを受け入れやすい。さらに作家自身、僕自身もいろんな人生体験をして変わってきている。そういうことをふまえると、まだ書ける部分があります。

ガブとメイはオオカミとヤギですから、将来これが家庭をつくってハッピーエンドではありえない。でもアンハッピーエンドで終わるのか? ということでもない。ヤギとオオカミが親しくなったのだから、他の動物が入ってきてもいいじゃない。まだまだいろいろな可能性がある。ということで新たなストーリーを考えて、新シリーズ全7巻、出したいと思っています。7巻目が泣けるので、期待していてください。プロットは現編集の方にお渡ししています。

──あべさんは、新シリーズの原稿がきたときにどう思われましたか?

あべ:
きむらさんの言うように、世界のようすは、30年前とは全然違うので、新たなメッセージを送るのはいいと思います。いままでは「友情」がテーマだったけれど、今度は「家族」。リスが出てきて家族の要になります。

『新あらしのよるにシリーズ(2) あたらしいかぞく』より

──30年前とキャラクターに込める意味合いも変わってきている?

きむら:
そうですね。自分が80歳になるまでには、なんとか書き上げようと思っています。年齢を考えるとそんなに時間がないですね。あべさんも同い年ですし。

あべ:
家族といえば、歌舞伎版の『あらしのよるに』があります。演じているのは中村獅童さん。いまは男の子がふたりいて、その子どもたちに、歌舞伎版「あらしのよるに」をお家芸として継がせたい、という思いがあるんじゃないかな。長男がメイを、次男がガブを演りたいとも言っているようで、楽しみです。

※中村獅童さんと『あらしのよるに』の出合いは、2003年にNHKで放映された「てれび絵本」で朗読したとき。歌舞伎初演は2015年京都南座(京都府)。その後、2016年歌舞伎座(東京都)、2018年博多座(福岡県)、2026年博多座(福岡県)と上演され人気を博した。

『歌舞伎絵本 あらしのよるに』

きむら:
今年(2026年2月)、福岡県の博多座で公演がありましたね。歌舞伎だから、仇討ちがあるし、オオカミが刀を差してるし、ヤギにお姫様がいる(笑)。面白い内容なので、ぜひ機会があったら観てください。

──歌舞伎の話も出ましたし、新シリーズの展開も少しお伺いできました。今後も見逃せませんね。期待していきましょう。

トークショー終了後に行われたサイン会も大盛況。

文:五十嵐 千恵子

アニメーションと朗読で心温まる「あらしのよるに」の世界観に浸る

旭川市は行動展示で有名な旭川市旭山動物園や、春夏秋冬で全く異なる表情を見せる豊かな自然が大きな魅力のひとつである地域です。

その魅力をOMO7旭川に宿泊している方にも感じてほしいという思いから、「動物」と「四季」をテーマにしたローカルリズムナイト「月灯りと動物たちの物語」を、2025年11月11日より開催しています。

その中では、旭川出身の絵本作家あべ氏と、きむら氏の世界的ベストセラー絵本「あらしのよるに」を動画にして上映しています(※動画は、OMO7旭川のご宿泊者および、動画上映会場のカフェ&バルのご利用者様にご鑑賞いただけます)。

〈ローカルリズムナイトとは〉

都市ホテルでの夜は夕食を済ませたら寝るだけになりがちです。しかし、OMOは「テンションあがる『街ナカ』ホテル」をコンセプトに、ホテルに戻ってきてから寝るまでの時間も、素敵なひとときを過ごしてほしいと考えています。そこで2024年より、夜のイベント「ローカルリズムナイト」を開催しています。

この名称は「ローカル Local」と「リズム Rhythm」を組み合わせた名称でその街が持つ独自の雰囲気を肌で感じながら楽しめるイベントです。各施設では、街からインスピレーションを受けた空間演出や、その土地ならではの文化体験、飲食提供を通年で行っており、宿泊者は誰でも参加することができます。

ローカルリズムナイト特設ページ

〈OMO7旭川(おも) by 星野リゾートとは〉

「OMO」は星野リゾートが全国に展開する「テンションあがる『街ナカ』ホテル」。街をこよなく愛するスタッフが地域の方々と仕掛ける、新感覚のホテル。

思いもよらない魅力に出会い、知らず知らずのうちにその街までお気に入りに。現在18施設を展開。2026年1月に開業した「OMO5横浜馬車道」に続き、4月には「OMO7横浜」が開業しています。

OMO7旭川 by 星野リゾート【公式】

OMO7旭川 by 星野リゾート

OMOブランドマップ

「新あらしのよるに」シリーズ

ガブとメイの物語は、まだまだ終わりません。「食うもの」と「食われるもの」の壁を超えて友情を育んだ2匹が、新しい仲間とともに「本当の家族」になれるのか。物語のテーマは、友情から家族の物語へと変化しています。前シリーズ同様子どもも大人も笑って泣けるストーリーです。

新あらしのよるにシリーズ3『ちょっとあぶないおともだち』(仮題)は、2026年冬刊行予定、乞うご期待!

「新あらしのよるに」シリーズ 1巻&2巻(3巻は、2026年冬刊行予定)

新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに

新あらしのよるにシリーズ(1) あいことばはあらしのよるに

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2025/03/12

価格:定価:本体1600円(税別)

新あらしのよるにシリーズ(2) あたらしいかぞく

新あらしのよるにシリーズ(2) あたらしいかぞく

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2025/11/20

価格:定価:本体1600円(税別)

「大型版 あらしのよるに」シリーズ 全7巻

大型版 あらしのよるにシリーズ(1) あらしのよるに

大型版 あらしのよるにシリーズ(1) あらしのよるに

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2000/06/29

価格:定価:本体1400円(税別)

大型版 あらしのよるにシリーズ(2) あるはれたひに

大型版 あらしのよるにシリーズ(2) あるはれたひに

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2001/02/20

価格:定価:本体1400円(税別)

大型版 あらしのよるにシリーズ(3) くものきれまに

大型版 あらしのよるにシリーズ(3) くものきれまに

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2002/12/04

価格:定価:本体1400円(税別)

大型版 あらしのよるにシリーズ(4) きりのなかで

大型版 あらしのよるにシリーズ(4) きりのなかで

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2002/12/04

価格:定価:本体1400円(税別)

大型版 あらしのよるにシリーズ(5) どしゃぶりのひに

大型版 あらしのよるにシリーズ(5) どしゃぶりのひに

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2003/01/24

価格:定価:本体1400円(税別)

大型版 あらしのよるにシリーズ(6) ふぶきのあした

大型版 あらしのよるにシリーズ(6) ふぶきのあした

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2003/01/24

価格:定価:本体1400円(税別)

大型版 あらしのよるにシリーズ(7) まんげつのよるに

大型版 あらしのよるにシリーズ(7) まんげつのよるに

きむら ゆういち(作)  あべ 弘士(絵)

発売日:2006/02/11

価格:定価:本体1400円(税別)

特設サイトにてシリーズ最新情報を配信中

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きむら ゆういち

きむら ゆういち

Yuuichi Kimura
絵本・童話作家

東京都生まれ。幼児番組のアイディアブレーンなどを経て絵本・童話作家に。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作品の劇作で、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で日本絵本賞受賞。その他の作品に『きずだらけのリンゴ』『にんげんごっこ』『風切る翼』「おおかみ・ゴンノスケ」シリーズ、「よーするに医学えほん」シリーズなどがある。 きむらゆういちオフィシャルホームページ http://www.kimura-yuuichi.com/

東京都生まれ。幼児番組のアイディアブレーンなどを経て絵本・童話作家に。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作品の劇作で、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で日本絵本賞受賞。その他の作品に『きずだらけのリンゴ』『にんげんごっこ』『風切る翼』「おおかみ・ゴンノスケ」シリーズ、「よーするに医学えほん」シリーズなどがある。 きむらゆういちオフィシャルホームページ http://www.kimura-yuuichi.com/

あべ 弘士
あべ ひろし

あべ 弘士

Hiroshi Abe
絵本作家

北海道生まれ。旭川市旭山動物園の飼育係から絵本作家に。「あらしのよるに」で講談社出版文化賞絵本賞受賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。「ゴリラにっき」(小学館)で小学館児童出版文化賞受賞。『ハリネズミのプルプル』シリーズ(文溪堂)で赤い鳥さし絵賞受賞。「どうぶつゆうびん」で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。他の作品に「わにのスワニー」、「えほんねぶた」(以上講談社)など。 あべ弘士HP「ギャラリープルプル」はこちら

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北海道生まれ。旭川市旭山動物園の飼育係から絵本作家に。「あらしのよるに」で講談社出版文化賞絵本賞受賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。「ゴリラにっき」(小学館)で小学館児童出版文化賞受賞。『ハリネズミのプルプル』シリーズ(文溪堂)で赤い鳥さし絵賞受賞。「どうぶつゆうびん」で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。他の作品に「わにのスワニー」、「えほんねぶた」(以上講談社)など。 あべ弘士HP「ギャラリープルプル」はこちら