脳科学者が解説 【子どもの脳の発達】大事なのは「自己肯定感」と保護者の「ぶれない軸」

子どもの人生は子どものもの 親は子どもを生きがいにしてはいけない

正論を言うより、バレていると気づかせる

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子どもがうそをついているときや、暴言を吐いたときには、制止して正論を説教したくなるでしょう。しかし、それは逆効果。大人は子どもより「一枚うわて」の対応をしましょう。

子どもがうそをついていると親が気づくと、「うそをつくんじゃない!」などと強く𠮟りたくなるでしょう。しかし、子どもがうそをつく理由はそこにあります。子どもは誰でも親に認めてほしいと思っています。𠮟られたり、怒られたりしたくないので本音が言えず、うそをつくのです。

正論をぶつけて厳しく𠮟ると、子どもに「攻撃性が現れる」「なにも言えなくなる」「不安になる」といった状態になり、発達障害のような症状が現れることがあります。子どものうそに気づいたら、なにくわぬ表情で受け流し、機会があったら軽く指摘しましょう。

〈『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』より〉

成長を促すストレスの与え方とは

ストレスをかければ子どもは成長すると信じている人は多いようです。しかし、ストレスには2種類あり、成長を促すのはよいストレス(スポーツでの「適度な緊張感」のように、前向きになれるストレス。成長を促すことができる)のほうです。ただし、親が「これはよいストレス」と思って与えても、向上心や主体性を発揮できるのは10歳以降です。さらに、からだの脳がしっかりできていて、こころの脳が育っている子どもに限ります。

一方、悪いストレスは子どもの発達を阻害し、心身に負担をかけます。子どもはストレスに気づきにくいので、親は日ごろから子どものようすに注意しましょう。

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