「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
11回目のテーマは、「干物」。
サバ干物サンド、サンマ干物のアクアパッツァ、アジ干物のサラダちらし寿司といった、洋風な干物のアレンジ料理をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん 全シリーズを読む
干物のある生活
干物を普段から食べていますか?
干物は、魚介類を太陽や風の力で乾燥させて保存性を高め、長期保存を可能とした食品です。
魚を天日干しすることで、生の魚とはまた違った食感が楽しめ、タンパク質が分解されて旨みが増します。
昔は冷蔵庫がなかったので、乾燥させることで日持ちが良くなることがメリットでした。
今ではかつてよりも干し時間を短くして水分を多めに残し、貯蔵のことよりも、独特の食感や旨みを味わうことに重きをおいて、美味しく食べることが楽しまれています。
今回はそんな干物を使ったお料理をご紹介しますが、その前に干物の種類についてご紹介します。
干物の種類(素干し/塩干し/調味干し)
干物にも製法がいくつかあります。
「素干し」
魚介類を水洗いして生のまま乾燥させたもので、肉厚のものは向かない。するめいかやたたみいわし、身欠きにしん、のり、わかめなど。
「塩干し」
魚介類を塩漬けしてから乾燥させたもの。塩だらなどの塩分が高いものと、塩干しアジ、めざしなどの塩分が少なめのものがある。
「調味干し」
調味干しには2種類あり、サバのみりん干しなどのように魚介類を調味液に漬けて乾燥させたもの、さきいかなどのように生干ししてから調味液に漬けて乾燥させたものがある。
そのほか、魚介類を煮てから乾燥させた「煮干し」、焼いてから乾燥させた「焼き干し」、凍らせてから乾燥させた「凍干し(こおりぼし)」などがあります。
今回は、「塩干し」の干物を使った、子どもも食べやすいお料理3品をご紹介します。