「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
17回目のテーマは、「お茶」。
子どもが食べやすいメニュー、「お茶クリームパスタ」「お茶ワンタンスープ」「お茶唐揚げ」の3種をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん 全シリーズを読む
暮らしに欠かせないお茶
お茶を飲んでいますか?
「朝茶はその日の難逃れ」ということわざがあったり、茶柱が立つと「縁起が良い」といわれたり、日本人の暮らしに寄り添ってきたお茶。
苦味、渋み、旨みが味わえるうえに、香りを楽しめるお茶は、世界で生産されています。
お茶はそのまま飲むのはもちろん、お菓子にもよく使われていますね。
今回は、子どもも美味しく食べられる、お茶を使った料理3品をご紹介します。
その前に、お茶の豆知識をご紹介します。
お茶の豆知識
お茶は、中国の山岳部発祥と推定されており、ツバキ科の植物・チャの葉や芽、茎を加工して作られたものをいいます。
現在、飲料用のお茶の種類は主に4種類あります。
不発酵茶:煎茶、番茶など
製造工程の最初に熱処理して発酵を止めることで、緑色が保たれる
発酵茶:紅茶
十分発酵させてから乾燥させることで、赤褐色となる
半発酵茶:烏龍(ウーロン)茶など
ある程度発酵させたあとに熱処理し、発酵を止める
後発酵茶:普洱(プーアール)茶など
熱処理して酵素の働きを止め、微生物の力で発酵させる
日本茶のほとんどは不発酵茶に含まれます。
粉末緑茶は緑茶を微細粉にしたものに対して、抹茶は茶つみの2〜3週間前から日光を遮って栽培した新芽を、もまずに乾燥させて製造します。緑茶に比べて茶葉の色が濃く、鮮やかで旨みが強いのが特徴です。
渋味や苦味のもととなるカテキン、苦味のもととなるカフェイン、旨みや甘みのもととなるテアニンなどの成分がバランスよく含まれているお茶。
ビタミン、ミネラル、食物繊維などは、茶殻のほうに多く含まれており、脂溶性の成分もあるため、飲むだけではなく、食べるのもオススメです。
今回は、日本で生産される量が多い緑茶を使い、子どもが食べやすい料理3品をご紹介します。
それぞれのレシピには安価な粉末緑茶を使っていますが、抹茶でも同じように作れます。分量は同じでよく、抹茶に変えると色は鮮やかになります。