映画の冒頭シーン&エンディングの描き方に感激!
――映画でお気に入りのシーンはありましたか?
はやみね先生:サーカスの動きは躍動感があり、素晴らしかったです! またRDが「賽は投げられた」という言葉について調べるシーンも、映像ならではの分かりやすい表現になっていて、「これはいい表現方法だな」と感心しました。さっそく怪盗クイーンの最新作(『楽園の名画を追え』)で、そのアイデアを使わせていただきました(笑)。
原作者としては、冒頭、かもめが空を飛ぶ姿が映り、高く上がっていくと雲の間からトルバドゥールが姿を見せるシーンと、エンディングでトルバドゥールが航行しているところにかもめが並んで飛ぶ、あの描写に感激しました。
というのも、小説でトルバドゥールを初めて出すときに、『かもめのジョナサン』をイメージし、「空飛ぶかもめよりもさらにその高みに、クイーンとジョーカー、RDがいる」と思いながら書いていたんです。
これを観たとき、「こんなところまで気を遣って作ってくださったのか」と、本当にありがたく思いましたね。
ただ、映像を拝見した先行試写会時は、その後に舞台挨拶が控えていたので、エンディングが近づくにつれてだんだんソワソワしてしまって。作品を思う存分楽しめなかったのが心残りです(笑)。映画の公開初日と翌日にも舞台挨拶がありますので、心からゆっくり見られるのはその後かな~。
――映画の劇場公開に寄せて、メッセージをお願いします!
はやみね先生:本当にステキな映画を作っていただき、原作者として嬉しく思っています。ぜひ劇場でご覧ください。
そしてよろしければ、原作も手にとっていただけたらなと思っています。映画には映画、本には本の楽しみ方があると思いますから、ぜひ原作にも目を向けてもらえると嬉しいです。
取材・文/木下千寿
劇場アニメ『怪盗クイーンはサーカスがお好き』
2022年6月17日(金)全国ロードショー
映画『怪盗クイーン』公式サイト
https://miragequeen.jp/
はやみね かおる
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、みずから書きはじめる。「怪盗道化師」で第30回講談社児童文学新人賞に入選。 「名探偵夢水清志郎事件ノート」「怪盗クイーン」「都会のトム&ソーヤ」「少年名探偵虹北恭助の冒険」などのシリーズのほか、『バイバイ スクール』『オタカラウォーズ』『ぼくと未来屋の夏』『令夢の世界はスリップする』(以上、すべて講談社)『モナミシリーズ』(角川つばさ文庫)『奇譚ルーム』(朝日新聞出版)などの作品がある。 子ども自身が選ぶ、うつのみやこども賞を4回受賞。漫画版「名探偵夢水清志郎事件ノート」(原作/はやみねかおる、漫画/えぬえけい 講談社)で第33回講談社漫画賞(児童部門)受賞。第61回野間児童文芸賞特別賞受賞。
1964年、三重県に生まれる。三重大学教育学部を卒業後、小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちに、みずから書きはじめる。「怪盗道化師」で第30回講談社児童文学新人賞に入選。 「名探偵夢水清志郎事件ノート」「怪盗クイーン」「都会のトム&ソーヤ」「少年名探偵虹北恭助の冒険」などのシリーズのほか、『バイバイ スクール』『オタカラウォーズ』『ぼくと未来屋の夏』『令夢の世界はスリップする』(以上、すべて講談社)『モナミシリーズ』(角川つばさ文庫)『奇譚ルーム』(朝日新聞出版)などの作品がある。 子ども自身が選ぶ、うつのみやこども賞を4回受賞。漫画版「名探偵夢水清志郎事件ノート」(原作/はやみねかおる、漫画/えぬえけい 講談社)で第33回講談社漫画賞(児童部門)受賞。第61回野間児童文芸賞特別賞受賞。