「朝、目をさますといつも、ぼくのまわりはことばの音だらけ。 そして、ぼくには、うまくいえない音がある」そう始まるのは、『ぼくは川のように話す』(ジョーダン・スコット・文 シドニー・スミス・絵 原田 勝・訳 偕成社)だ。吃音のある詩人をささえた少年の日の出来事を、圧巻の景色と心情あふれる言葉によって表現するこの絵本。
みんなと違うその喋りにくさが、そのことによる極度の緊張が。そして、彼の発見がどれだけ大きなものだったのか、その発見がどれだけ彼の心を救うことになったかということが。当事者じゃなくとも、しっかりと伝わってくる内容となっている。