イヤイヤ期で反抗的 私をたたいてきて困ります 発達心理の専門家が回答

こんなときどうする?子育てQ&A#32「イヤイヤといって反抗的。私をたたいてきたりして困っています」

教育学博士:渡辺 弥生

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2歳ごろは第一反抗期といわれる時期ですね。よく勘違いされるのですが、反抗期の「イヤイヤ」というような言葉や態度は、親に反発して口ごたえしているわけではないのです。

これは、「自分はこれをやりたい」「自分の思うようにやってみたい」という欲求が強く出てきているためにおこります。

それが、たまたまママの意向とは違っているだけで、反抗ではなく自己主張なんだと、まずとらえてあげましょう。


これを「親に逆らう、よくない子」と思ってしまうと、ママもついカッとなってしまいやすく、親子関係が難しくなることがあります。
発達心理学の専門家・渡辺弥生教授が子育ての悩みに答えます。

「イヤイヤといって反抗的。私をたたいてきたりして困っています」(2歳・男の子)

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自己主張が激しくて困るときの対応方法

ママとしては、大事なことを教えるためには少し厳しくしてでも伝えていきたいと思う気持ちがあって当然です。

ただ、自我が芽生えはじめる1~3歳の子どもには、対応を工夫してみる必要があります。

知っておくと、子育てが楽になる考え方のポイントをあげてみます。

◆頭ごなしに注意するのは逆効果

イヤイヤが激しくなっているときは、子どもなりになにかを伝えたいとき。

情緒も少し不安定になっている場合が多いものです。そういうときに、「なぜ、ママのいうことを聞かないの!」と、頭ごなしに叱ってしまうと逆効果になるだけ。

できる範囲でいいので、子どもがいいたいことに耳を傾けてあげましょう。

気持ちをくんでもらえたことで、子どもの安心感が高まります。

◆叱ることかどうかの確認を

子どものイヤイヤが激しいと、ママにストレスがたまって、ついガミガミ叱りがちです。

でも、それは本当に叱るようなことかどうか、冷静になって吟味してみると、ママの腹立ち具合が変わってくるはずです。

◆言葉でうまく伝えられない不自由さを理解しておく

1~3歳の子どもは、自分の思いを言葉で伝えられずに不快な気持ちになりやすいのです。

子どもの思いを想像して、「○○なのね」と代弁してあげましょう。

それが学びになって言葉の表現力がつくと、イヤイヤ期を早く抜けられるでしょう。
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育児に役立つ「実験方式」を試してみましょう

ママをたたいてくるようなことがあっても、親子関係がこじれているわけではないので安心しましょう。

子育ては、気持ちをもった子どもが相手なので、とまどうことも多いですね。

そんなときに役立つのは、「実験方式」。

どんな対応をすると状況がよくなり、どうしたら悪化するのかを、あれこれ試してチェックしてみましょう。

すると、その子にあう育児法が見えてくるでしょう。

文/宇野智子 写真/Adobe Stock
※この記事は幼児誌「げんき」に掲載された記事を再構成したものです。
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わたなべ やよい

渡辺 弥生

教育学博士(発達心理学、発達臨床心理学)

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。

大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。