そのため、自分のおもちゃを人に貸すのを嫌がるようになることがよくあります。
これは「自分のものがわかるようになった」からで、けっして責めるようなことではないのです。
「おもちゃをお友だちに貸すのを嫌がります。」(1歳・男の子)
成長して「自分のもの」がわかりはじめる年齢です
自分の手から離れて、ほかの人の元へおもちゃが移るのは、取り上げられてしまうような気持ちになるのでしょう。
また、「自分のもの」は意識できても、「人のもの」という理解はできない年齢です。
どう対応するかという前に、まず、今はそういう成長の時期だとおおらかに理解することが大切です。
こういう時期は、どう対応したらいいの?
◆まず、無理に取り上げて貸すような対応はやめましょう。
「力で奪う」という悪いお手本になります。
◆この時期は基本的に「自分のだからこれでもっと遊びたいよね」と共感したうえで、貸すことのメリットも教えていくとよいでしょう。
たとえば「貸せたら貸してあげようね。
『いいよ』っていうと、お友だちも『うれしいな』っていうよ。
そうしたらあなたもうれしいね~」などと伝えていくのです。
今日は貸せなくても、こういう積み重ねが大事です。
◆相手の子やその親御さんには、ママパパがフォローを。
相手の子に「嫌なんだって、ごめんね」と謝り、相手の親御さんには「こんな時期なので」と事情を話して理解してもらうとよいでしょう。
◆また、そのおもちゃに固執せずに、ママパパが仲介して、二人の子が一緒に楽しめるような違う遊びを展開してみてもいいですね。
お友だち遊びのなかでは、小さないざこざがおきるのは当然で、この経験も成長には必要なことです。
そして、ママパパのフォローを受けながら、だんだんに、ものの貸し借りを含めてお友だち遊びができるようになっていきます。
この時期は、お友だち遊びの終わりはいつも「楽しい!」と思えるような対応をしていってあげたいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。