子育ての中では、子どもをものでつりたくなる場面は少なくありませんね。
「子どもを『ものでつる』のって、いけないの?」(3歳・女の子)
「ごほうび」でやる気を誘うのも一つの方法
そもそも「ものでつる」という言葉の印象がよくありませんが、1~3歳では、基本的にOKだといえます。
とくに3歳ぐらいまでは、行動と結果(成果)をイメージできません。
目に見える形や、イメージしやすい言葉で目標を作ってあげるのは、わかりやすい方法ともいえます。
実際に、小学校低学年くらいまでの子どもにとって、ごほうびがあるというのは、目標を明確にし、やる気をわかせるものなのです。
注意したいことと、工夫したいこと
◆まず頻度です。
なにかにつけてものを与えて解決するのは、動物の餌付けとかわりませんね。
できるだけ育児のプランをもって、「これに関してだけは」と決めておくといいでしょう。
◆発達的にできないことは、ごほうびで誘っても無意味です。
たとえば公共の場で静かにできるのも短い時間だけ。
おもちゃなどを持参して対策しておくことが欠かせません。
そして達成できたあとに「がんばったね」とごほうびをあげると学びにつながりますね。
◆トイレ嫌いや食べ物の好き嫌いなどには、以前の嫌な経験が関係していることがあります。
ごほうび効果で行動できたときには、よい雰囲気を作ったり、たっぷりほめたりして、嫌なイメージをプラスにかえてあげましょう。
◆ごほうびの内容も、単純に「お菓子」「おもちゃ」ではなく、親子で楽しめるものにするのもおすすめ。
たとえば、絵本を読む、折り紙、公園でのボール遊び、お弁当を持って散歩にいくなどのイベント型。
そのほか、夕食のおかずに好きな料理を作ってあげるとか、おやつを少し豪華にするような方法もあります。
ごほうびの頻度や内容を考えたり、前もって対策を工夫することで、子どもが楽しく目標を持て、ママパパの育児が少しでも楽になるといいですね。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。