子どもが絵本を読まない 興味がない 好きにさせるには? 教育学者が回答
こんなときどうする? 子育てQ&A#86 絵本に興味を示しません。好きにさせるコツは?
2022.07.27
教育学博士:渡辺 弥生
たしかに絵本の楽しさがわかるまでに、少し時間がかかることがあります。
「絵本に興味を示しません。好きにさせるコツは?」(2歳・女の子)
絵本デビューの段階はあせらずに
ただ、それで「うちの子は、絵本が好きではないんだわ」と遠ざけてしまわないようにしましょう。
ママパパに読んでもらう絵本を嫌いな子はいません。
絵本デビューの段階では、まだその楽しさをしらないだけ。
ページをどんどんめくったり、なめたりするのは、今はそれが楽しい時期だからで、それも一つの絵本への入り口です。
怒ったりせずに、あせらずに絵本の楽しさを伝えていってあげましょう。
具体的には、どう親しませたらいい?
◆動物、食べ物、車など、その子が興味をもっているものを題材にした絵本を選んであげましょう。
◆最初は1冊丸ごとではなく、子どもが興味をもったり、もちそうな部分だけを楽しませてあげれば十分。
たとえば、「あっ、バナナ! きのう食べたわね」などと、表紙や1~2ページを見せながら話し、実際の経験とつなげてあげると関心をもちやすいものです。
◆絵本の中に子どもが興味を示すものがあったら、話の展開には関係なくても、その興味を大事にし、話題や遊びにして楽しむようにしてみましょう。
◆子どもはママパパに歌ってもらうのが大好き。
物語絵本にこだわらずに、歌の絵本から楽しませてもいいのです。
このようにして、子どもが「ママやパパと絵本を見るのは楽しい」と思ってくれれば第一関門突破です。
そして、絵本にある程度集中できるようになったら、お話を読んであげるといいでしょう。
1~3歳であれば、ストーリーが単純で、コロコロ、ブッブー、トントンなどの擬音語や擬態語が繰り返し使われているような絵本がおすすめです。
また、用意するなら、物語絵本や図鑑絵本など、さまざまな種類のものを身近に置いてあげましょう。
絵本は、言葉や知識、豊かな感情、想像力など、子どもの世界を広げてくれるものです。
ぜひ、ママパパ自身が「絵本っておもしろい」と思いながらページを開いてあげてください。
その気持ちが、言葉かけや、歌や読み聞かせの声にのって子どもに伝わっていきます。
文/宇野智子 写真/Adobe Stock
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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渡辺 弥生
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。
大阪府生まれ。1983年筑波大学卒業。同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだ後、筑波大学、静岡大学、途中ハーバード大学客員研究員を経て、法政大学文学部心理学科教授。同大学大学院ライフスキル教育研究所所長兼務。教育学博士。専門は、発達心理学、発達臨床心理学。主な著書に『まんがでわかる発達心理学』、『11歳の身の上相談』(講談社)、『親子のためのソーシャルスキル』(サイエンス社)など。