産後ママの身体と心の回復を 「産後ケア施設」が必要な理由とママたちの声
「産後ケア施設」を知ろう #1 産後ケア施設について医学博士・福島富士子先生が解説
2022.12.19
医学博士:福島 富士子
産後ケア施設でできること
──ママと赤ちゃんに対して、さまざまなケアを受けられる産後ケア施設ですが、実際に利用したママたちからはどのような感想が多いのでしょうか?
福島先生:「授乳ケアと休息が取れたことがよかった」という利用回答がほとんどですね。
市区町村運営と民間運営で状況に違いなどはあるものの、産後ケア施設と名乗るには、「助産師がいること」がルールづけられています。施設によっては「常駐」もしくは、「1週間に1日出勤」など、状況に大きな違いがあります。利用する際はぜひ、授乳ケアをしてくれる助産師さんが常駐しているかをマストでチェックしましょう。
また、産後ケア施設には、助産師さんのほか、看護師さん、保健師さん、保育士さん、臨床心理士さんなどがいるケースが多いです。
宿泊型の施設では、おむつ交換や抱っこの仕方、育児全般、産後の身体によい食事などについても学べますし、施設によっては、24時間体制で、ケアを受けられるところもあります。ただ、施設によって受けられるケアや得られる情報に違いがあるので、事前によく調べておくのがベターです。
そして私が特に産後ケア施設の利用をおすすめしたいのは、赤ちゃんに兄弟姉妹がいるご家族です。新たな出産を通じて、家族の関係には大きな変化が訪れます。例えばお兄ちゃんがいる場合、赤ちゃんという新しいメンバーが加わったことで、ママパパがお兄ちゃんにどう接していけばよいのかなど、考える時間を持つことができます。
大袈裟に聞こえるかもしれませんが、新しい家族が増えることで、これからどんなふうに生きていくかなど、ママ自身がじっくり考える時間を持つことができたら、それはとてもよいことですよね。
出産は女性にとって、社会的にも精神的にも変化が訪れ、生活環境を見つめる時期でもあります。産後ケア施設を利用して、ママが産後の身体と心が整えられる時間を持てることが、もっと当たり前になってほしいと思っています。
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産後は無理をするのではなく、産後ケア施設をうまく利用して、ママは身体と心の回復に努めてもらいたいもの。しかし、産後にケア施設を探すのはとても大変なことです。2回目では、リーズナブルに利用できる市区町村運営施設についての解説と、福島先生おすすめのケア施設をご紹介します。
取材・文/濱田恵理
産後ケア施設の連載は全4回。
2回目 県外利用も可 助産師・医学博士が推す「産後ケア施設」はこんなに素敵!
3回目 リゾートホテル級 必見! 産後ケア施設&ホテルのケアプラン5選
4回目 産後ケア施設を人気イラストレーターが実体験「ここがよかったベスト5」!
(※3回目は2022年12月21日、4回目は12月22日公開。3、4回目は公開日までリンク無効)
福島富士子
(ふくしま・ふじこ)
医学博士。国立保健医療科学院、上席主任研究者を経て、2014年東邦大学看護学部教授。2018年同看護学部長。一般社団法人出産・子育て包括支援推進機構理事。一般社団法人ドゥーラ協会理事。専門は母子保健政策、ソーシャルキャピタル。
福島 富士子
医学博士。国立保健医療科学院、上席主任研究者を経て、2014年東邦大学看護学部教授。2018年同看護学部長。一般社団法人出産・子育て包括支援推進機構理事。一般社団法人ドゥーラ協会理事。専門は母子保健政策、ソーシャルキャピタル。『産後ケア~ここから始まるコミュニティづくり~』『産前・産後ケア』(ともに財界研究所)、共著に『産後ケア―なぜ必要か 何ができるか』(岩波書店)などがある。
医学博士。国立保健医療科学院、上席主任研究者を経て、2014年東邦大学看護学部教授。2018年同看護学部長。一般社団法人出産・子育て包括支援推進機構理事。一般社団法人ドゥーラ協会理事。専門は母子保健政策、ソーシャルキャピタル。『産後ケア~ここから始まるコミュニティづくり~』『産前・産後ケア』(ともに財界研究所)、共著に『産後ケア―なぜ必要か 何ができるか』(岩波書店)などがある。