産後の寝不足による疲れ・イライラを改善! 睡眠の質をグンと上げる習慣とは?

ぐっすり眠れる「産後ママの睡眠術#1」

乳幼児睡眠コンサルタント:愛波 あや

睡眠中には、身体の細胞修復が行われています。写真:アフロ
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産後は特に、まとまった睡眠がとれず、睡眠不足に悩まされるママがほとんどでしょう。寝不足が原因で、ついイライラしてしまい、そんな自分に自己嫌悪を抱いてしまうこともあります。そこで子育て中のママでも効率的に睡眠をとる方法を、乳幼児睡眠コンサルタントの愛波あやさんに伺いました。

連載第1回では、睡眠の質を上げる食べ物や食事をとるタイミング、またお風呂に入る時間など、日常ですぐに実践できる生活習慣をご紹介します。
(全3回の1回目)

ママの睡眠の質を上げることはなぜ重要?

ママの睡眠不足は、ママ自身にだけではなく子どもにも影響を与えてしまいます。

まず、ママ自身に与える影響としては、身体の修復ができなくなること。これには成長ホルモンと睡眠ホルモンという2つのホルモンがかかわっています。

成長ホルモンは、寝ているときに分泌されるホルモンで、特に入眠から3時間の間に多く分泌されます。成長ホルモンは、身体のさまざまな細胞の修復や新陳代謝を促すため、美肌効果や免疫力アップ、疲労回復などの効果があります。

睡眠ホルモンは、正式名称を「メラトニン」といい、覚醒と睡眠を切り替え、眠りを促すホルモンです。メラトニンは睡眠に深くかかわるほか、老化を促進させる活性酸素を抑制する「抗酸化作用」があるので、成長ホルモン同様に細胞の新陳代謝を促してくれます。

よって、睡眠不足で成長ホルモンや睡眠ホルモン・メラトニンの分泌が減ると、骨の強度や免疫力の低下、肌荒れなどを引き起こしやすくなってしまうのです。

また、こうしたホルモンの働き以外にも、睡眠時には脳の老廃物の除去が行われています。十分な睡眠がとれないと脳が疲れたままの状態になり、注意力・集中力・判断力の低下や、モチベーションの低下を引き起こしてしまうことも。感情のコントロールも難しくなり、些細なことで怒ったり傷ついたりしやすくなるのです。

結果、子どもはママのイライラをぶつけられてしまい、不満を感じやすくなってしまいます。ママが満たされていないと、子どもを満たすことができないので子どもの自己肯定感も下がってしまうことがあります。

もちろん、「わが子のためなら自分を犠牲にしてもいい」と思う気持ちはとてもわかります。しかし、自分を犠牲にして子どものために一生懸命頑張りすぎてしまうと、結局疲れてしまいます。ママたちにはうまく睡眠をとり、ご自身の幸福度を上げてほしいと思っています。そうすることで子どもを満たすことができ、結果的には子どもの幸せにもつながります。

7〜9時間連続して睡眠がとれればベストですが、短時間であっても睡眠中には身体の修復が行われ、かつ脳の老廃物を除去することがわかっています。その効果を最大限に得るために、まずは睡眠の質を上げることを意識してみてください。

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