妊娠中に「おやつ選び」が大切な理由 管理栄養士が伝授する「手作りおやつレシピ」

管理栄養士・岩見真由美さん「妊娠中の食生活」で知っておきたいこと #3 おやつ選びのポイントと手作りおやつレシピ2選

管理栄養士:岩見 真由美

妊娠中はおやつ選びも食生活の大切なポイントです。  写真:アフロ

「妊娠中はママとおなかの赤ちゃんのために、妊娠前より摂るべきエネルギーや栄養素が増えます」とは、管理栄養士・岩見真由美さん。

とはいえ、妊娠後期になると、おなかが大きくなることで胃が押し上げられ、胃もたれや胸やけなどの症状が出やすくなる人も。

一度に食べきれないときは、2回目でも紹介しましたが、少量を何度かに分けて食べたり、おにぎりなどの間食や、おやつで摂るのがおすすめです。

今回は、岩見さんに妊娠中のおやつ選びのポイントと、手作りスイーツレシピを2つ教えていただきました。

(全3回の3回目。1回目を読む2回目を読む

おやつの摂り方 3つのコツ

妊娠期間中、体重管理をしながらも、やっぱりおやつタイムは楽しみですよね。

おやつは栄養補給のほかに気分転換に食べるなど、心の栄養を満たす役割もあります。とはいえ、妊娠中は、好きなものを好きなだけ食べてもいいわけではありません。

1日3食規則的にバランスよく栄養素を摂ったうえで、足りないものをおやつで補うという意識が理想的です。

妊娠中のおやつ選びのポイントは次の3つです。

①1日200kcalを目安に
おやつの食べすぎは肥満や高血圧、高血糖につながるため、「1日200kcalを目安」に選びましょう。妊娠中に限らず、食事の量を減らして、おやつを食べたいときに食べたいだけ摂るというのも避けましょう。

洋菓子やスナック菓子には、脂質や炭水化物が多く、ビタミンやミネラルなどの栄養素が少ない傾向にあります。1日の食事の中でお菓子の割合が増えるほど、妊娠中に摂りたい栄養素が摂りにくくなってしまいます。

市販のお菓子を食べてはいけないわけではありませんが、パッケージに書いてある栄養成分表示を参考にして、1日の量を決めて食べるとよいでしょう。

また、砂糖が多く含まれる炭酸飲料やジュースなど、飲み物にも注意が必要です。妊娠中の飲み物は、水やお茶など砂糖を含まない飲み物が好ましいですね。

②食べる回数と時間を決める
おやつは、1日の中で食べる回数と時間を決めて食べましょう。好きなときにダラダラと食べるのは、食事のリズムが崩れてしまい、本来摂るべき食事の妨げになってしまいます。

おすすめの時間帯は、エネルギーが消費されやすい午前10時からお昼をまたいだ15時までの時間帯。夜遅くに食べるのは肥満の原因になりやすいため避けましょう。食べる時間を決め、集中して食べれば満足も得られるため、食べすぎ防止にもなります。

③果物は糖分が多いので食べすぎに注意
ビタミンやミネラルが豊富な果物は、毎日食べたいものの一つ。果物の1日の目安量は200gです。バナナだと大きめのものが約1本、キウイフルーツだと約2個で200gです。

果物は糖分を多く含むため、体によいからといって食べすぎると太る原因になります。果物もおやつと同様、遅い時間になるほど体脂肪になりやすいため、夕方までに食べるのがおすすめです。

焼き芋/果物/ゼリーなど おすすめのおやつ

工夫次第で妊娠中もストレスなく甘いおやつを楽しめます。素材の味を生かした、ビタミンやミネラルの豊富なものを選ぶとよいでしょう。

焼き芋や干し芋、果物、ゼリー、ヨーグルト、プロセスチーズ、ドライフルーツ、豆乳などがおすすめです。

※「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より算出

レアチーズケーキは妊娠中、避けたほうがよい?

ポテトチップスや菓子パン、ドーナツ、ロールケーキなど、市販のお菓子は、カロリーが高く、塩分、糖分が多く含まれています。

たくさん食べると妊娠糖尿病や肥満などの発症のリスクにつながるため、なるべく避けたいところですが、我慢するとストレスになりますよね。

食べるときは、お皿に出すなどして量を決めてからにしましょう。また、栄養成分表示でカロリーや原材料の確認もするとよいですね。

レアチーズケーキも妊娠中は避けたほうが無難です。レアチーズケーキの中には、ナチュラルチーズを使用している場合があり、リステリア菌という食中毒菌が増殖している可能性がないともいえません。

妊娠中は菌に感染しやすいため、赤ちゃんの発育に影響が出ることがあります。チーズケーキを食べるなら、十分に加熱したスフレタイプや、ベイクドチーズケーキを選ぶとよいでしょう。

次のページへ 手作りおやつレシピを紹介
40 件