「男性の労働時間」が最も長い日本…少子化にも影響か「長時間労働と少子化対策」有識者らによるイベント開催(東京・千代田)

「フランスに学ぶ!少子化を打破するための労働政策」

▲日本は主要な先進諸国の中で「男性の労働時間」が最も長​い。日本の長時間労働社会は、過労死やうつなど深刻な健康問題に加え、非婚化・少子化の要因とも見られている。(写真:アフロ)

「男性の労働時間」が最も長い国・日本

「正規雇用の男性の労働時間」を1日2時間短くすることで、「出生率が0.35上昇する」。

こう試算するのは、社会学者の柴田悠(しばた・はるか)教授(京都大学)です。

日本における「男性の労働時間」は、主要な先進諸国の中で最も長​く(※)日本の長時間労働社会は、過労死やうつなど深刻な健康問題に加え、非婚化・少子化の要因とも見られています。

(※OECD加盟38か国の中の主要先進21か国のなかで、日本はフルタイム雇用の男性の労働時間が最も長い。週休2日を仮定した場合のフルタイム雇用男性の平日1日あたりの労働時間は、日本は9.7時間で最長、アメリカは8.4時間、OECD全体平均は8.3時間、スウェーデンは8.2時間、ドイツは8.0時間、フランスは7.9時間。日本は2021年調査、日本以外は2023年調査)

(出典:日本は総務省統計局「令和3年社会生活基礎調査」、日本以外はOECD Data Explorer)

少子化対策において「長時間労働の是正」は必須の国策であり、子育て環境改善&働き方改革を求める切実な声が高まっているなか、有識者が「長時間労働と少子化対策」を話し合うイベントが、参議院議員会館講堂(東京・千代田)で開催されます。

開催は2024年10月9日(水)17時より・定員150名・参加費は無料〔申込制〕。

イベントでは、少子化対策で成果を上げているフランスの子育て政策に詳しいライターの髙崎順子を迎え、柴田悠(京都大学・教授)、天野妙(Respect each other代表)、たかまつなな(笑下村塾代表)、小室淑恵(ワーク・ライフバランス代表)らが登壇。

「少子化社会・日本に求められる労働政策」を語り合います。

【フランスに学ぶ!少子化を打破するための労働政策】

■日時:2024年10月9日(水)17時~18時30分

■場所:参議院議員会館講堂

■参加費:無料
(参加申込は専用サイトのイベントページから)

■定員:150名

【登壇者プロフィール】

●髙崎 順子(たかさき じゅんこ)
ライター。フランス・パリ郊外在住。
東京大学文学部卒業後、都内の出版社勤務を経て渡仏。フランスの文化・社会を題材に取材・執筆している。著書に『休暇のマネジメント~28連休を実現する仕組みと働き方』(KADOKAWA)、『フランスはどう少子化を克服したか』(新潮新書)、『パリのごちそう』(主婦と生活社)などがある。著書や記事で取材したテーマに関連し、フランス現地視察や関連団体との意見交換でも活動している。

●柴田 悠(しばた はるか)
京都大学大学院人間・環境学研究科教授、社会学者。
1978年、東京都生まれ。京都大学博士(人間・環境学)。専門は社会学、社会政策論。同志社大学准教授、立命館大学准教授、京都大学准教授を経て2023年度より現職。著書に『子育て支援が日本を救う――政策効果の統計分析』(社会政策学会賞受賞)、『子育て支援と経済成長』(朝日新書)、分担執筆書に『Labor Markets, Gender and Social Stratification in East Asia』(Brill)など。社会政策の専門家として、内閣官房会議、衆議院予算委員会・特別委員会・文部科学委員会などで登壇。NHK「日曜討論」「NHKスペシャル」などに出演。日本経済新聞「経済教室」などに寄稿。

●天野 妙(あまの たえ)
合同会社Respect each other 代表。
日本大学理工学部建築学科卒。建設・不動産の男性社会の中、総合職ワーキングマザーとして孤軍奮闘した経験をきっかけに、性別・役職・所属・国籍に関係なく、お互いが尊敬しあう社会づくりに貢献したいと考え、起業。ダイバーシティ/女性活躍を推進する企業の組織コンサルティングや、研修など企業の風土変革者として活動する傍ら、国会で参考人・公述人として意見陳述を行うなど、待機児童問題をはじめとした子育て政策に関する提言を行う政策起業家としても活動中。プライベートでは3女児の母でもあり、認知症の母の介護を同時に行うダブルケアの経験者でもある。プロボノ市民団体「みらい子育て全国ネットワーク」の代表も務める。

●たかまつ なな
株式会社 笑下村塾代表。
1993年生まれ。社会起業家。若者の政治参加を促すため、2016年の18歳選挙権を機に、株式会社 笑下村塾を立ち上げる。社会を変えるこどもたちを増やすために、全国の学校にお笑い芸人による楽しい主権者教育の出張授業を届ける。社会を変える場を作るため、高校生の考えを政治に反映させる高校生リバースメンタープロジェクトを手掛ける。社会問題解決型の市民メディア「たかまつななのSocialAction!」は YouTubeのチャンネル登録者数が18万人を超える。朝まで生テレビやABEMA PRIMEなどにも出演。

●小室 淑恵(こむろ よしえ)
㈱ワーク・ライフバランス代表取締役社長。
3000 社以上の企業へのコンサルティング実績を持ち、残業を減らして業績を上げる「働き方改革コンサルティング」の手法に定評がある。安倍内閣 産業競争力会議民間議員、経済産業省産業構造審議会、文部科学省 中央教育審議会などの委員を歴任。著書に『プレイングマネージャー「残業ゼロ」の仕事術』(ダイヤモンド社)『働き方改革 生産性とモチベーションが上がる事例 20 社』(毎日新聞出版)『6 時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)『男性の育休 家族・企業・経済はこう変わる』(共著、PHP 新書)等多数。「WLB コンサルタント養成講座」を主宰し、2000 名の卒業生が全国で活躍中。 私生活では二児の母。

子育て・少子化・長時間労働に関する記事

たかさき じゅんこ

髙崎 順子

Junko Takasaki
ライター

1974年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、都内の出版社勤務を経て渡仏。書籍や新聞雑誌、ウェブなど幅広い日本語メディアで、フランスの文化・社会を題材に寄稿している。著書に『フランスはどう少子化を克服したか』(新潮新書)、『パリのごちそう』(主婦と生活社)、『休暇のマネジメント 28連休を実現するための仕組みと働き方』(KADOKAWA)などがある。得意分野は子育て環境。

1974年東京生まれ。東京大学文学部卒業後、都内の出版社勤務を経て渡仏。書籍や新聞雑誌、ウェブなど幅広い日本語メディアで、フランスの文化・社会を題材に寄稿している。著書に『フランスはどう少子化を克服したか』(新潮新書)、『パリのごちそう』(主婦と生活社)、『休暇のマネジメント 28連休を実現するための仕組みと働き方』(KADOKAWA)などがある。得意分野は子育て環境。

しばた はるか

柴田 悠

Haruka Shibata
京都大学大学院 人間・環境学研究科教授

京都大学大学院 人間・環境学研究科教授。1978年、東京都生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は社会学、社会保障論、幸福研究。同志社大学准教授、立命館大学准教授、京都大学准教授を経て、2023年度より現職。著書に『子育て支援と経済成長』(朝日新書、2017年)、『子育て支援が日本を救う──政策効果の統計分析』(勁草書房、2016年、社会政策学会学会賞受賞)、分担執筆書に『Labor Markets, Gender and Social Stratification in East Asia』(Brill、2015年)など。

京都大学大学院 人間・環境学研究科教授。1978年、東京都生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は社会学、社会保障論、幸福研究。同志社大学准教授、立命館大学准教授、京都大学准教授を経て、2023年度より現職。著書に『子育て支援と経済成長』(朝日新書、2017年)、『子育て支援が日本を救う──政策効果の統計分析』(勁草書房、2016年、社会政策学会学会賞受賞)、分担執筆書に『Labor Markets, Gender and Social Stratification in East Asia』(Brill、2015年)など。