柴田:あそこがんばりました!
柴田:最初はもっとちゃんと流れがあったり、意味があったりしてたんですけど。絵本のテキストは初めてで、もうどうやって書いたらいいのかわからなかったので、とにかく書いてみようということで、最初の原稿をお送りしました。
柴田:はい、本当に初めて作ったくらいの楽曲が「今日は山に」っていう楽曲ですね。たぶん女の子か男の子か、小さい人の、親みたいな立場の人が山に行って、で、その人の子どもが「昨日10まで数えられるようになったよ~」みたいな、そういう歌なんですけど。ただ山に行って、ただ山を下ってくるっていう、すごいシンプルな歌だったんでした。
柴田聡子 | Satoko Shibata - 今日は山に | Kyouha Yamani _ Field Recording on Mt. Tsukuba by SaghrMatha
柴田:そうですね。絵本のテキストでは、女の子が10を数えるうちに山登りするはちゃめちゃ山登り? 山登りするはちゃめちゃ?……で進めていきました(笑)なんか、10までしか数えられないっていうことと、たとえその子の中の世界だけだったとしても10秒で登って戻ってくるっていうのは、はちゃめちゃでいいですよね~って。最終稿になるまでには、1から10までの数字に、言葉がかかっているっていう感じというか、よく見ると「ろろろろろ」とか「くくくくく」とか、隠れてるところがあります。
ハダタカヒト(以下ハダ):受け取ったときは……この絵本どうしようかなと思ったんですけど(笑)山を登っていくのと、柴田さんのなんか、パワフルな感じ?がすごかったので、絵を描く方としてもいけるかなっていうのはありましたね。
──結構解釈が、ハダさんの中でもあったんでしょうか。
ハダ:そうですねぇ……いまだに「ぼーんぽこやま」っていうのが何かはよく知らないし(笑)
柴田:でも結構、ぼーんぽこやまもかなり忠実っていうか(笑)よくぞ私の中のぼーんぽこやまを動かしてくれて……。終盤、ぼーんぽこやまが大活躍しますよね。
ハダ:たいてい絵本って、最後落ち着いて締めにかかるっていうのが僕のイメージの中では多かったんですけど、テキストを見て、これ緩める気ないんだなと思って(笑)最初はしっとり終わろうかなと思ってラフ描いたんですけど、いや、柴田さんそうじゃないんじゃないかな~と思って、別で描いてたラフを打ち合わせのときに見てもらったら、こっちがいいって言ってもらえました。
柴田:もちろん。ラフの段階で結構描き込まれているようなという印象があったかなと。
ハダ:最初はさらっとめだったんですけど(笑)
柴田:あ、そっか(笑)ラフの時点でも、なんかこれはもう最高ですという感じは大きくって。こんなに素晴らしい絵を描いていただけるなんて、なんて……なんて幸せなんだろうみたいな、最高です!しか言ってなかったような気がする。お願いします!みたいな。
ハダ:最初に「もう好きにやってください!」って言ってくださったんで。ありがとうございますって感じ。
柴田:本当にすごかったです。絵が送られてくるたびに。今日も原画を見て本当にすごすぎるなって! 本当に言葉がないくらいですよね。本当にすごすぎますよね。ちょっとびっくり。
ハダ:線を、長さで言うと1cmかな、1.5cmの線をずらーっと描きつらねて、それから潰してまた描いてっていうふうに描いてて。
柴田:潰すんだ……。
柴田:本当にちょっと信じられない細さの線が乗っかってるのを見て、あれはもう筆……?
ハダ:筆ですね。できるだけ安い。消費量が半端ないので。安いのを探していって。
柴田:すぐダメになっちゃうみたいな感じですかね?
ハダ:そうですね。大変でしたね。今回だけじゃないですけど、ずーっと大変ですね。
柴田:いやぁ、すごい。……過去の絵を拝見していっても、なんかどんどん緻密になっていってて……もう本当に大変なことになっていってて(笑)
ハダ:そうですね、やり続けると上手くなるんやなと。絵が上手くなってる気はしないんですけど。線を描くのが上手くなる。
柴田:……(笑)。あの絵の最終形を想像して、あの線を重ねていくっていうのが……。
ハダ:まぁでも割と修正が効くんですよ。塗り潰すんで、最初に描いた線とかが見えなくなってくるんで。修正もそれなりに効くので、あと進むのが遅いんで、ちょっと違うなと思ったら直しながらできるんで。
柴田:なんか聞いてると、そうなのか~って思うけど、想像できない世界っていうか。すごすぎて。さらっと今言われてましたけど。
ハダ:絵を描いているっていう感覚は僕あんまりなくて。線を描くっていう作業をがんばってるっていう。我慢して(笑)やってる感じなんで。たぶんやろうと思えば(笑)
柴田:絶対できない、無理ですね。
ハダ:我慢ですね。
柴田:我慢強いということですね。
ソロ・アーティスト、柴田聡子にフォーカスした「Your Favorite Things」の新ヴァージョン「My Favorite Things」リリース! ライブ情報も
さらに11月には毎年恒例のひとりぼっちホール公演、今年はアルバム「My Favorite Things」のリリースを受け、東京に加えて初の大阪開催が決定!
柴田聡子のひとりぼっち’24 〜My Favorite Things〜
2024年11月13日(水) @ ABCホール 開場18:30 / 開演19:00
2024年11月24日(日) @ ヒューリックホール東京 開場16:00 / 開演17:00
Ticket 前売 5,000円 一般発売日 2024年9月21日(土)
柴田 聡子
シンガー・ソングライター/詩人。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学卒業、東京藝術大学大学院修了。 2010年、大学時代の恩師の一言をきっかけに活動を始める。 2012年、三沢洋紀プロデュース多重録音による1stアルバム『しばたさとこ島』でアルバムデビュー。以来、演劇の祭典、フェスティバル/トーキョー13では1時間に及ぶ独白のような作品『たのもしいむすめ』を発表するなど、歌うことを中心に活動の幅を広げ、2022年、6枚目のオリジナルアルバム「ぼちぼち銀河」をリリース。 2016年には第一詩集「さばーく」を上梓。同年、第5回エルスール財団新人賞<現代詩部門>を受賞。詩やエッセイ、絵本の物語などの寄稿も多数。2023年、足掛け7年にわたる文芸誌「文學界」での連載をまとめたエッセイ集「きれぎれのダイアリー」を上梓。詩人としても注目を集めている。 自身の作品発表以外にも、楽曲提供、映画やドラマへの出演、ミュージックビデオの撮影・編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。 2023年11月22日、7枚目のアルバム『Your Favorite Things』のリリースを発表、同アルバムより先行シングル『白い椅子』をリリースした。
シンガー・ソングライター/詩人。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学卒業、東京藝術大学大学院修了。 2010年、大学時代の恩師の一言をきっかけに活動を始める。 2012年、三沢洋紀プロデュース多重録音による1stアルバム『しばたさとこ島』でアルバムデビュー。以来、演劇の祭典、フェスティバル/トーキョー13では1時間に及ぶ独白のような作品『たのもしいむすめ』を発表するなど、歌うことを中心に活動の幅を広げ、2022年、6枚目のオリジナルアルバム「ぼちぼち銀河」をリリース。 2016年には第一詩集「さばーく」を上梓。同年、第5回エルスール財団新人賞<現代詩部門>を受賞。詩やエッセイ、絵本の物語などの寄稿も多数。2023年、足掛け7年にわたる文芸誌「文學界」での連載をまとめたエッセイ集「きれぎれのダイアリー」を上梓。詩人としても注目を集めている。 自身の作品発表以外にも、楽曲提供、映画やドラマへの出演、ミュージックビデオの撮影・編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。 2023年11月22日、7枚目のアルバム『Your Favorite Things』のリリースを発表、同アルバムより先行シングル『白い椅子』をリリースした。
ハダ タカヒト
1988年兵庫県生まれ。長野県在住。個展を中心に絵を発表し、主に子どもの本の挿絵、絵本の作画を手掛ける。絵本に『ろじうらの伝説』(作:柳家喬太郎 編:ばばけんいち/あかね書房)、『まどのそと』(文:佐野史郎 編:東雅夫/岩崎書店)など。
1988年兵庫県生まれ。長野県在住。個展を中心に絵を発表し、主に子どもの本の挿絵、絵本の作画を手掛ける。絵本に『ろじうらの伝説』(作:柳家喬太郎 編:ばばけんいち/あかね書房)、『まどのそと』(文:佐野史郎 編:東雅夫/岩崎書店)など。
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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