【晩婚・40代で出産】人気イラストレーターが感じた高齢出産の「意外なメリット」「変わらなかったこと」
【若くないママでもいいことがたくさんある #2】晩婚夫婦の子育ては大変! でも40代の子育ては新鮮度が高い!
2024.06.19
しいていえば、育児の新鮮度が高い!?
すっかり1児の母になったたかぎさん。幼稚園を卒園したむーちゃんは、現在は小学2年生(2024年6月現在)にまで成長しています。
晩婚の育児はどんな良さがあるのか。また、独身時代からの生活の変化を伺うと、笑って答えてくれました。
「しいていえば、40代の子育ては新鮮度が高いかもしれません。
自分が子どもだった時代が20代、30代の人より遠いので、“うわ~! 今の学校ってこうなの!?”とか“最近のおもちゃはすごい!”って、そういうワクワク感は若い親御さんよりもありそうです。
あと、ひとり暮らしのころは、自分の好きな時間に仕事をして、好きなものを食べてと自由気ままだったのですが、今は娘が学校に行っている間に集中して仕事をしています。
遊びに行くのも、娘が喜びそうなところをまず一番に考えるし、常に自分の行動や考え方の中心に娘がいる気がします」(たかぎさん)
子ども番組に夢中になったり、ファミレス好きになるなど、今までになかった文化に触れる機会が子育てでたくさんあるといいます。
独身時代から変わらない自分、ママ友同士の付き合いは?
一方、これまでと変わらない一面もありました。仕事柄、普段から一人で黙々と作業することが多いたかぎさん。保護者会で、親の集まりがあると緊張してうまくしゃべれないと感じることもあります。
「今は娘のために頑張って挨拶や、学校の係をこなしていますが、基本的に人付き合いは苦手ですね。大人になっても人見知りは変わらないな~って思います」(たかぎさん)
それでも、ママ友同士では年齢の差をあまり気にすることはないとのこと。クラスの役員になったとき、若いママから便利なアプリの使い方を教えてもらい、感謝することもあったとか。
「親同士は、お互いの年齢は言わなければよくわからないし、今は高齢出産も増えているので、もしかしたら同じくらいのママさんかな? という方もいたりします。
それよりも子どもの年齢が同じかどうかのほうが重要で、いつ歯が抜けたとか習い事はどこに通っているかなどに興味があります」(たかぎさん)
今、振り返ると出産前に描いていた心配や不安は、そこまで考えなくて良かったのかもしれません。
また、たかぎさん夫妻はむーちゃんが20歳のときには60代です。将来の備えなどは、どのように考えているのでしょうか。
「私の20代はバイト生活で貯金はほぼなく、30代から取材に出かけて本を出版するなど、仕事が増えて貯蓄も少しずつできるようになりました。
いろんなことにチャレンジして、そのころに培った仕事の技術や成果、人とのつながりはとても大きいです。
共働きなので、今後もなんとか夫婦で力を合わせればやっていけるかなぁ~という心のゆとりはあります」
高齢出産をオススメするわけではないのですが、もし20代、30代で結婚・出産をしていたら、金銭的に余裕がなく、やりたい仕事も満足にできずセーブしながら、ジレンマを抱えて過ごしていたかもしれないと話します。
将来、娘が「絵で仕事がしたい」と言ったら?
24歳で単身上京し、バイト生活をしながら、狭いアパートでスーパーの半額商品を買って慎ましく過ごしていたあのころ。
好きな仕事で食べていく大変さを、身に染みているたかぎさんですが、もしむーちゃんがイラストレーターになりたいと言ったら?
「私は、勉強も運動も苦手な子どもでしたが、中学のころに“絵で仕事がしたい!”と思ってから、毎日が楽しくなり自信もついてきた記憶があります。
いつか娘にもすてきな夢が見つかるといいですし、私と同じ絵の仕事でも、そうでなくてもできるだけ応援してあげたいです」(たかぎさん)
母親になって7年。これからも夫と義母と暮らしながら、家族で仲良く娘の成長を見守りたいと願うたかぎさん。
人気イラストレーターの勢いは現在も衰えません。今後も子育てと同じく日々を前向きに、明るくポップに描き続けていくに違いありません。
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◆たかぎなおこ
三重県四日市市出身のイラストレーター。美術系短大およびデザイン専門学校卒業後、名古屋市のデザイン会社を経て1998年に上京。『150cmライフ。』でイラストエッセイデビュー。2024年新刊『体力アップ1年生』(KADOKAWA)発売。
オフィシャルHP ホクソエム https://hokusoem.com/
取材・文/飯塚まりな
『若くないママでもいいことがたくさんある』の連載は、全2回。
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