42歳の人気美容外科医・上原恵理先生が15年ぶりの出産 直前の予期せぬトラブル! 第2子出産時を明かす

美容外科医・上原恵理先生・産後インタビュー #1 妊娠高血圧症候群で緊急帝王切開へ

美容外科医:上原 恵理

バウンサーでご機嫌! 上原恵理先生の長男くん。  写真提供:上原恵理

人気美容外科医・上原恵理先生。コクリコでは、「15年ぶりの妊娠・高齢出産」について直撃し、その妊娠時の貴重なインタビューは話題を集めました。

そして記事公開から2週間後の2023年12月末。上原先生は、出産予定日の1ヵ月以上前に「妊娠高血圧症候群」を発症。緊急の帝王切開手術で第2子を出産されました。

母子ともにご無事でしたが、想定外の事態に上原先生はどのように対応し、乗り越えたのでしょうか。詳しくお聞きしました。

(全3回の1回目。前回の妊娠中インタビューを読む

上原恵理(うえはら・えり)
美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部附属病院勤務などを経て、2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。
形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。

緊急帝王切開で予定日より1ヵ月以上早い出産に!

──妊娠時に高血圧を発症する「妊娠高血圧症候群」は、妊婦さんの約20人に1人の割合で起こるといわれています。重症化すると子宮や胎盤での血流が悪くなり、母子ともに危険な状態になることも。上原先生の場合、兆候のようなものはあったのでしょうか。

上原恵理先生(以下、上原先生):階段を上ったり、早足で歩いたりするとすぐに息が上がり、息切れがする感覚はありました。ただ、そのときは臨月も近く、お腹も大きくなってきていたし、そういうものかなと、あまり深刻には受け止めていませんでしたね。

ですが、同じ時期に手足がむくみ出したり、1週間で体重が3キロも増えたりと、今思うと、あきらかに異変がありました。さらに、定期検診で血圧が130ぐらいになっていることを知り、担当医から「もしかしたら、妊娠高血圧症候群で緊急帝王切開になるかもしれないよ」と言われて、ようやく事態の深刻さを飲み込めました。

帰宅後、安静にしながら、血圧計でときどき様子を見ていたのですが、深夜の2時くらいから、どんどん血圧が上がってきて……。

──その時点で、すぐに病院に連絡しようとされなかったのでしょうか。

上原先生:夜間の病院への連絡は、よほどのことじゃない限り迷惑じゃないかな、と躊躇してしまったんです……。私自身が医者ということもあり、ささいなケガや軽い症状で夜間に救急車を呼ぶ一般の患者さんが多いことを知っていたので、かえって病院に連絡するのをためらってしまいました。

ですが、その後もまったく血圧が下がらず。思い切って連絡すると「すぐに病院に来てください!」と言われました。そして、病院に着いたら、すでに帝王切開の準備が始まっていて、そのまま手術になり、3時間で出産しました。

──かなりハイスピードな出産でしたね! 母子ともにご無事でよかったです。

上原先生:妊娠中は、生活習慣や食事もわりとしっかり管理していました。高齢妊娠ということもあったかもしれませんが、人間の体は自分ではコントロールしきれないものだな、と。気をつけていてもどうしようもないときがある、と実感しました。

ZOOMでオンライン取材に答える上原恵理先生。

術後のダメージの大きさに衰えを実感

──術後は、身体に相当なダメージがあったかと思います。産後の回復はどうでしたか?

上原先生:本当に全然ダメというか、回復にはかなりの時間を要しましたね。年齢のせいか、帝王切開だったからなのか、どちらが原因かはわかりませんが、術後1週間くらいは、たった一歩踏み出すだけで腹部に激痛が走り、二度と歩けないんじゃないか、と思うくらいの地獄のような痛みでした。

約1ヵ月間は歩くと片足を引きずってしまうような状態で、3ヵ月経った今も(2024年3月現在)未だに完治したとはいえません。体を起こすときも、腹筋を使うと痛みが走るので、体をひねって起き上がっている状態です。

妊婦が高齢の場合、リスクを考えて帝王切開による出産を推奨するケースもありますが、私は術後の大変さを経験して、出来ることならば自然分娩のほうが良かったなと思いましたね。

──高齢出産の場合、産院の選び方にもポイントがあるのでしょうか。

上原先生:私が術後のダメージで心が折れてしまったのと、わが子がNICU(新生児集中治療室)でのケアが必要だったこともあり、産後は約2週間入院させてもらいました。

入院中は母子別室で、十分な睡眠時間が確保できたことは本当にありがたかったです。退院後の育児生活ってすごく大変じゃないですか。高齢であればなおさらです。

病院にいる間は看護師さんが赤ちゃんのお世話をしてくれて、食事は上げ膳据え膳。体力・気力ともに快復させてくれる、つまり24時間母子ともにケアをしてくれる産院を選ぶのは、高齢出産の場合は重要だと思います。

15歳上の娘さんは頼れる育児サポーター

──20代半ばで産んだ娘さんは15歳。思春期真っ盛りですが、赤ちゃんへの反応はいかがでしたか?

上原先生:娘はとにかく弟がかわいくて仕方ないって感じで……。15歳も年が離れているせいか、関係のハードルもまったくないようです。家事もやってくれるし、オムツ替えやミルクの世話にも積極的で、「アルバイトとして、春休みはベビーシッターをやってあげる」って(笑)。今日も自宅で赤ちゃんの面倒を見てもらっています。

上の娘ちゃんが息子くんを子守する様子。歳の差15歳きょうだい。  写真提供:上原恵理

──今回は初めての男の子。15年前の女の子の育児と今との違いはありますか。

上原先生:上の子(女の子)の場合はおっぱいをあげて、オムツを交換してあげれば、おとなしく寝てくれていました。自分が20代で若かったせいもありますが、育児が大変だったという記憶はほとんどありません。

性別によるものなのか、その子の個性なのかはわかりませんが、今回(男の子)は始終、抱っこして歩き回らないとまったく寝てくれないんです……。

ミルクを十分にあげて、オムツも交換して、ゲップもして、お風呂も入れてあげて、ご満足いただけるような状態にしても、ベビーベッドに背中がついた途端、パッと目を覚まして「ぎゃーっ」と大泣き!

「夜通しずっと抱っこ紐で、ようやく寝たところです」(上原先生)。  写真提供:上原恵理

上原先生:特に、夜22時~深夜3時くらいまでが絶好調で。抱っこ紐で密着していても座ったら怒るので、ずっと歩き回って、仕事はスマホでできることしかできません……。ベビーベッドも、バウンサーもまったく受け付けてくれませんね。

「一緒に寝落ちする毎日です」(上原先生)。  写真提供:上原恵理

上原先生:いよいよ泣き疲れて、ベッドで添乳をしながら明け方にようやく寝てくれるという状況で……。私も体力が尽き果てて、一緒に寝落ちするような毎日です。

──想像以上に大変ですね……。産後から、3ヵ月たった今も同じ状況ですか?

上原先生:そうですね。常に寝不足で、体力維持や時短に役立つ育児用品にはとてもお世話になっています。

高齢ママは若いときよりも経済的な余裕があるので、体力に不安がある場合は、お金をかけてでも便利なアイテムに頼ることをおすすめします。自分をいかにラクにしてあげるかも、育児をのりきる上で大事な知恵だと思っています。

──◆─────◆───

妊娠中の突然のトラブルにも冷静に対応し、産後のさまざまな困難を強くしなやかに乗り越えてきた上原先生。2回目では、先生がおすすめする育児アイテムについてお聞きします。

取材・文/鈴木美和

上原先生産後インタビューは全3回
2回目を読む。
3回目を読む。
(※2回目は2024年4月24日、3回目は4月25日公開。公開日までリンク無効)
前回の上原先生産前インタビューはこちら。

うえはら えり

上原 恵理

Uehara Eri
美容外科医

美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。 群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部付属病院勤務、2010年帝京大学医学部付属病院勤務、2018年都内美容クリニック勤務の後、2020年神楽坂に開業。2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。 形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。国内にとどまらず、海外の学会にも数多く参加。これまでに積み上げた確かな技術と実績で、数多くの患者様から信頼を得ている。 また、医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。 主な著書:『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』、「医者が教える人生が変わる美容大事典」(共にKADOKAWA) THE ONE.  https://theoneclinic.jp/ https://www.instagram.com/eri.uehara/

美容外科医、美容皮膚科医、美容クリニック「THE ONE.」院長。日本形成外科学会認定専門医。 群馬大学医学部医学科卒業後、2006年東京大学医学部付属病院勤務、2010年帝京大学医学部付属病院勤務、2018年都内美容クリニック勤務の後、2020年神楽坂に開業。2021年虎ノ門に『THE ONE.』開業。 形成外科学会では登壇者の5%ほどしかいない女性医師として数多くの学会に登壇。国内にとどまらず、海外の学会にも数多く参加。これまでに積み上げた確かな技術と実績で、数多くの患者様から信頼を得ている。 また、医師として正しいホームケアと美容医療の情報をSNSで発信。SNSのフォロワーは合計約30万人。 主な著書:『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』、「医者が教える人生が変わる美容大事典」(共にKADOKAWA) THE ONE.  https://theoneclinic.jp/ https://www.instagram.com/eri.uehara/

すずき みわ

鈴木 美和

Suzuki Miwa
ライター

フリーライター。千葉県出身。『dancyu』、『読売新聞』、『UOMO』などの雑誌や新聞、オンラインを中心に食の記事を寄稿。 出産を機に千葉県・房総に移住。2人の男児の子育てに奮闘する中で、育児の悩みや教育の大切さを実感したことから、現在は教育業界を中心に、取材や執筆活動を行っている。 地元の新鮮な食材を使って料理をするのが日々の楽しみ。

フリーライター。千葉県出身。『dancyu』、『読売新聞』、『UOMO』などの雑誌や新聞、オンラインを中心に食の記事を寄稿。 出産を機に千葉県・房総に移住。2人の男児の子育てに奮闘する中で、育児の悩みや教育の大切さを実感したことから、現在は教育業界を中心に、取材や執筆活動を行っている。 地元の新鮮な食材を使って料理をするのが日々の楽しみ。