発達障害・発達特性のある子を育てる親や家族のストレス 〔言語聴覚士/社会福祉士〕が解説

#11 発達障害の特性のある子どもを育てる母親のストレス〔言語聴覚士/社会福祉士:原哲也先生からの回答〕

一般社団法人WAKUWAKU PROJECT JAPAN代表・言語聴覚士・社会福祉士:原 哲也

写真:maruco/イメージマート(イメージ写真)

発達障害や発達特性のあるお子さんと保護者の方の関わりについて、言語聴覚士・社会福祉士であり、発達障害のお子さんの療育とご家族の支援に長く携わってきた原哲也先生が解説します。

【発達障害・発達特性のある子のお悩みに専門家が回答】これまでの回を読む
第1回 発達障害かどうか気になります
第2回 2歳ですが言葉が遅く心配
第3回 偏食がひどくて困っています
第4回 子どもが真夜中まで起きている
第5回 「こだわり行動」とは? 種類・原因・対応
第6回 医療機関を受診する目安
第7回 トイレトレーニング
第8回 着替えを嫌がります
第9回 癇癪の原因と対策
第10回 我が子の幸せのために家庭ができること 

発達障害の特性のある子どもの親やその他の家族について、今回から数回にわたってお話しします。 

支援者の中には「子どものために親や家族は頑張りましょう!」というスタンスの方がおられます。しかし、発達障害の特性のある子どもを育てる親や家族は、もうすでに十分「頑張って」おられるのです。とはいえ、多くの不安やストレスを抱えながら、ずっと「頑張り続ける」ことは、たとえ親や家族でも難しいことです。

だとすれば、我々、支援者や関係者の役割は「頑張って」と言うことではなく、親や家族の不安やストレスを理解し、適切な「応援」(支援)をすることであるはずです。

療育の対象は子どもだけではありません。親も療育の対象です。特に幼い子どもの療育は、「親への応援」が主であることは、長年臨床をする中での私の実感です。ですからこの連載で、発達障害の特性のある子どもを育てる親や家族のことを改めて考えることは、今後の私の臨床にとっても、大切だと感じています。

さて、今回は、発達障害の特性のある子どもの子育てにおいて中心的役割を果たすことが多い「母親」の不安やストレスについてです。

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