だれかに嫌われているとき、どうする？　【今日の聖書のことば】佐藤優・作家

※本記事は書籍『１日３分でやさしい心が育つ　聖書のことば』（著：佐藤優）の一部を抜粋、編集したものです。

ユダヤ民族はその歴史のなかで、ほかの民族から攻撃され、支配されたり、ひどい差別を受けたりしました。

そのため、伝統的なユダヤ教では、ユダヤ民族みんなで力を合わせて、敵に対抗（たいこう）することが大切だと考えました。

しかしイエスは、すべての人間は神さまの子どもなのだから、敵としてにくんでいる相手でもいつか心がつうじて、仲よくなれると考えたのです。

とはいえ、一度にくんだ相手と仲よくなるのは簡単ではありません。

たとえば、これまでイジワルしてきた子から
「ごめんなさい。もうイジワルをしないので、友だちになってください」
といわれても、すぐに「いいよ」とはいえないですよね。

紹介したことばには、相手へのにくしみやうらみの感情が強くなりすぎないよう、「愛する」ことでブレーキをかけようというメッセージがこめられています。

相手の幸せを願う「祈り」は、ひとつの愛のかたちなのです。

このように、相手に愛を示すことで、相手のにくしみ、うらみ、悲しみ、ねたみ、といった悪い感情も少しずつ変わっていくとイエスは考えたのです。