中学受験「親の伴走」 塾代100万円超 夏休み1日10時間以上勉強! 親のマインドは「母が総監督 父がコーチ」

令和の中学受験の伴走・親の心得 #2 学習の様子と親子関係について

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

中学受験に挑む親子は、どのような関係でいるのがよいのでしょうか?  写真:アフロ

中学受験(以下、中受)の勉強は、想像以上にハードです。受験するのはわずか12歳の小学生。スケジュールや教材の管理は親のタスクなので、子どもがゲームばかりして勉強しないとなると、親の焦りは相当なものです。

2022年に中受の伴走を終えた父・灘中までの道(以下、灘中)さんのご家庭は、「母が総監督、父がコーチ」という布陣で臨み、「子どもと同じ目線をキープすることで友達のような存在になり、伴走できた」と言います。

「令和の中受伴走」連載2回目では、大手塾に通塾した場合の一般的な学習の様子と伴走によって変わる親子関係について。教育ジャーナリストの佐野倫子さんに、聞き手として解説してもらいました。

(全3回の2回目。1回目を見る

灘中までの道
40代、地方在住サラリーマン。息子が小学5年生の3月から1日も欠かさず中学受験にまつわるツイートをし続けた。フォロー0のままフォロワー数は1万人超え。合格発表ツイートには117万アクセスもあった、最も有名な中受パパの一人。@mezasenadachuu

佐野倫子(さの・みちこ)
東京生まれ、早稲田大学卒。航空業界・出版社勤務を経て作家・教育ジャーナリストに。「mi‐mollet」、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンラインなどで小説・コラムを多数執筆。2児の母。

1週間のスケジュールと子どもとの向き合い方

前回では中受をすると決めたときの親の心構えや資金問題についてお伝えしました。

さて、ここで一般的な中学受験生の学習の様子について整理してみましょう。

大手学習塾は、4年生からの3年間でカリキュラムを組んでいます。4年生では週2回、5年生では週3回、最終学年の6年生では週に3~5回ほど通塾します。金額も最初は年間50万円程度ですが、最後は多くの塾で100万円を軽く超えます。

また、小学校6年生の夏休みは丸一日授業です。塾がない日は家庭にもよりますが、復習に1日10時間ほども勉強する子も少なくありません。

これほどのパワーをかけて、もしもお子さんが勉強をサボるようなことがあったら、親は平常心で接することができるでしょうか? 個人差はあれど、「がんばってきた子どもの努力が無駄になっては大変」と思うからこそ、厳しい言葉をぶつけてしまいたくなることも出てくるでしょう。

そうならないためには、どのような心持ちが求められるのでしょうか。著書のなかで、温かくユーモラスなお子さんとのやりとりが印象的だった灘中さん。

「子どもが頑張っていることへのリスペクトは常に持っていました。小学生ですから、友達と遊んだりゲームをしたりしたいに決まっています。その気持ちを我慢して、あんなに難しい問題を解いている。塾に行っているだけでも偉い、と思っていました。

そう思いながらも、勉強するように促すのも親も役目だから、そこが難しいですよね。でも根底には、子どもは頑張っている、えらいな、すごいなという気持ちを持って接していました」
(灘中さん)

これは突き詰めると、子どもを対等に、一人の人間として見ているということ。中学受験は12歳で挑戦するため、親子関係も過渡期にあたります。

18歳の受験であれば親ができることは衣食住のサポートぐらいかもしれませんが、12歳は完全に手を離すのは難しい。ときには厳しいことを言わねばなりません。だからこそ、心の中で頑張っている子どもを認めることが大切ということですね。

ゲームがやめられない! 反抗期が発動! 親子関係が変化するときに

「好奇心旺盛だし、負けず嫌いだから中学受験に向いているかも?」など、良かれと思って始めた受験。しかし始めてみれば思ったよりも長丁場……。順風満帆というひとのほうが少ないもの。

もちろん四六時中勉強してほしいとは思いません。でも、気分転換といいつつ、もしダラダラとゲームをしていたら? つい厳しい言葉を口にしたくなってしまいます。

灘中さんも、著書の中で息子さんがゲームとうまく付き合っていて、それをお父様として見守っていらっしゃいました。どのように考えていらっしゃったのでしょうか?

「ゲームは……、最後までやめられませんでした(笑)。でも、息子にとっては大事な気分転換だったので、ご褒美としての位置づけにして、時間を区切っていました。ゲームはダメ! と頭ごなしに禁止するよりも、うまく付き合えればそれでOK。そう考えていました。

話は少しそれますが、『朝は学校の宿題だけ、それが終わったら自由タイム』と二人で決めていました。ところが、塾の勉強の積み残しが出てくると、それを朝やってしまいたいと私が焦ってしまって。

1度だけ、息子との約束を破って、朝やらせようとしたんです。そうしたら、本当に反発して、悲しそうで。それを見て、その隙間時間が息子にとっては大事な気分転換なんだって気づきました。

それ以来、朝に塾の勉強をさせることはしませんでした。親も焦りがあるから、間違えてしまうこともあると思います。そのときはすぐに軌道修正して、ごめんね、もうしないよと伝えました」
(灘中さん)

中学受験の勉強は、想像以上にハードです。スケジュールや教材の管理は親のタスク、というのがなかば常識ですから、親の焦りもまた、相当なもの。

その状況で、灘中さんのように親子間でも礼節とリスペクトを持って接することは、難しくもとても大切なことだと感じました。

また、うまく回らない場合に、夫婦で連携を取って「役割分担」をするのも有効です。灘中さんのご家庭では、「母が総監督、父がコーチ」という布陣で臨んだといいます。父が子どもと同じ目線をキープすることで、友達のような存在に。その心強さで、きっと息子さんは最後まで走りぬくことができたのだと思います。

では、直前期に差し掛かったとき、果たして親子で臨む中受は、どのような二人三脚が理想なのでしょうか? 中受のクライマックスは長丁場。3回目では、6年生の後期~直前期までの伴走についてをお伝えします。

取材・文/佐野倫子

令和の中学伴走は全3回。
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(※3回目は2024年4月18日公開。公開日までリンク無効)

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さの みちこ

佐野 倫子

Michiko Sano
教育ジャーナリスト

東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57

東京生まれ、早稲田大学卒。英国ロンドン大学ロイヤルホロウェイ留学。航空業界・出版社勤務を経て、作家・教育ジャーナリストに。 講談社mi-mollet、漫画雑誌Kiss(原作)、ダイヤモンド・オンライン、幻冬舎ゴールドオンライン、東京カレンダーWEB、月刊[エアステージ]などで小説・コラムを多数執筆。2人の男の子の母。 主な著書:『天現寺ウォーズ』、『中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来』(イカロス出版)、『知られざる空港のプロフェッショナル』(交通新聞社)。 Instagram @michikosano57 X @michikosano57