どこに行きたい? おうちのなかでも旅行気分を味わえる絵本って?

【 絵本でお悩み解決!?】 テーマ07「おうちでも旅気分になれる絵本」

げんき編集部

500冊以上の絵本作りに参加している編集者・装丁家の小野明がDr.オゥノーに扮して、子育てにまつわるお悩みを「絵本」で解決!? 聞き手のポン子と掛け合いながら、さまざまな絵本を紹介します。  イラスト/tupera tupera

【研究テーマ 07】おうちでも旅気分になれる絵本

お悩み相談者 フライさん
【Dr.オゥノー】
またの名を小野明。絵本の探究者。最近は、研究室にこもってサンバやボサノバを聴きまくって、ブラジルに想いを馳せている。

【ポン子】
Dr.オゥノーの助手。絵本の勉強中。最近は、おうちにこもってボリウッドを観ながら踊りまくって、インドに想いを馳せている。
ポン子(以下:ポ):今回のお悩みは、「旅に行きたいけれどなかなか行けない」ですって。

Dr.オゥノー(以下:D):ふむふむ、旅に行った気分になれる絵本か……。おうちにいる機会が多いときこそ、親子でじっくり、絵本で旅をしよう!

:でも、旅行の最新情報は、ネットを見ればよいのでは?

D:​それはそうだけど、文化や風土は、長い時間をかけて築きあげられるものだから、変わらず残る部分がたくさんあるでしょ。ほら、この『せかいのひとびと』をごらん。

人の数だけある物語『せかいのひとびと』

絵・文:ピーター・スピアー 訳:松川真弓 評論社
:わあ! 表紙から圧倒されます! 世界中様々な土地に生きる人たちの姿が、丁寧に描かれていて、地図の向こうに生きるいろんな人たちを身近に感じられます。

D:でしょ。では、そのなかのいくつかの国の人たちの暮らしを覗いてみよう! まずはお隣、韓国の『マンヒのいえ』。

違う文化、なのになんだか懐かしい…韓国の絵本『マンヒのいえ』

絵・文:クォン・ユンドク 訳:みせけい らんか社
:きれいな絵! ずっと眺めていられます。家の中をじっくり観察しながら、豊かな文化や暮らしの姿を実感できます。日本の暮らしと比べてみても、どこか似ていて面白いです。

D:ねえ。それから、わたしたちにはお相撲さんでなじみ深いモンゴルの絵本、『ぼくのうちはゲル』はどう?

草のにおいと風が吹き抜けるモンゴルの絵本『ぼくのうちはゲル』

絵・文:バーサンスレン・ボロルマー 訳:長野ヒデ子 石風社

:見渡す限りの緑の大地。ああ、行ってみたい! こんな風に暮らしている人たちもいるんですねえ。

D:想像するだけで、心が広がるよねえ。さて、緑を見た後は、赤い絵本を。『シルクロードのあかい空』。

燃えるような夕焼けは、何千年も前から変わらない『シルクロードのあかい空』

文・絵:イザベル・シムレール 訳:石津ちひろ 岩波書店

:きれい……!

D:シルクロードは、2000年以上も前から使われていたといわれるよね。日本だと弥生時代あたり。その道を行き交う商人、沿道で暮らす人々や生き物が、美しく描かれているね。

:胸がいっぱいになります。

D:​お次の『かえでがおか農場のいちねん』は、アメリカの絵本だよ。

アメリカに生きる、人と自然の営み12か月『かえでがおか農場のいちねん』

作:アリス&マーティン・プロベンセン 訳:きしだえりこ ほるぷ出版
:えー! アメリカって、もっと都会のイメージでした!

:アメリカは日本の約25倍の広さ! 1つのイメージに縛られないように、気を付けようね。

:本当ですね。決めつけずに、いろんな世界を受け入れてゆきたいです。
次のページへ まだまだあります、想像力広がる、多様な世界の暮らしを描いた絵本
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