子どもと楽しみながら読める昔話って?

【絵本でお悩み解決!?】 テーマ11「昔話絵本」

げんき編集部

500冊以上の絵本作りに参加している編集者・装丁家の小野明がDr.オゥノーに扮して、子育てにまつわるお悩みを「絵本」で解決!? 聞き手のポン子と掛け合いながら、さまざまな絵本を紹介します。  イラスト/tupera tupera
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【研究テーマ11】子どもと楽しみながら読める昔話って?

お悩み相談者 どんぶらこさん
【Dr.オゥノー】
またの名を小野明。2万冊以上の絵本を読んできたツワモノ。絵本で読者の煩悩をちょこっと解決?すべく研究している。

【ポン子】
Dr.オゥノーの助手。絵本の勉強中。最近立ち上がるときに「どっこいしょ」と言ってしまうのは歳のせいではなく、「おおきなかぶ」の影響。
ポン子(以下:ポ):今回のテーマは昔話! 昔話といえば、いろいろあるけど、やっぱり一番有名なのは「桃太郎」とかですかねえ。

Dr.オゥノー(以下:D):ふむ。ポン子くんのイメージする桃太郎って、こんな感じ?

80年前の『桃太郎』はこんなだった!

絵:齋藤五百枝 講談社
:うおっ、まさにそうなんですけど、なんかこの絵、趣があるというかなんというか…昔っぽい……?

:今から80年ぐらい前に描かれた桃太郎の絵だよ。

:へ~、本当に昔なんですねえ! 今読むと逆に新鮮な感じがします。

:昔話絵本って、面白いよねえ。お話は昔のものなのに、絵をつけるのは、そのときそのときの「今の人」。だから、桃太郎にもいろんなのがいる!

『だれでも知っているあの有名な ももたろう』

作:五味太郎 絵本館
:今度はかわいらしい桃太郎。うんうん、桃から生まれて……あれ? ちょっと、桃じゃなくて、きゅうり太郎が出てきちゃった!? 鬼退治に……って、あはは、鬼とサッカー始めちゃいました!

:きゅうり太郎がいて、鬼を退治しない桃太郎がいたって、いいじゃない? 本当のことは誰にもわかりません。

:たしかに! 昔話って、けっこう自由なんですねえ。

:そうそう。じゃあ桃太郎、今度は空から見てみよう!

角度を変えれば見方も変わる!『空からのぞいた桃太郎』

作:影山 徹 岩崎書店
:おばあさん、ちっちゃ! ドローンでお話をのぞいてるみたい! 

:新鮮だよねえ。お話は昔のままでも、絵や発想が変わるだけで、全く別物に見えちゃうよね。

:桃太郎一つでこんなに違うなんて! 

:それから昔話といえば、そのバリエーションの多さも魅力! たとえば……

ひそやかな口承も、絵本をのぞけば扉がひらく『みるなのへや』

文:広松由希子 絵:片山 健 岩崎書店
:桃太郎よりマイナーなお話だけど、「見るな」っていうのは、昔話によくあるパターンだよね。

:たしかに! 『つるの恩返し』とかもそうですね。地域によってちょっとずつ違うのに、どこか似ているというのも、昔話のだいご味ですね。
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