14歳の子役・村山輝星が「愛」を考えた「不朽の名作」 オオカミとヤギの関係にひそむ「教訓」に震える

『あらしのよるに』30周年記念インタビュー 第3回

ライター:山口 真央

たとえ身の危険にあっても相手を信じることが「愛」なんだ

輝星:物語が進むにつれ、ガブがメイに隠れて動物を食べていることを、メイは知ってしまいます。

もしかしたら、いつか自分も食べられてしまうかもしれない。そう思いながらも、メイはガブといっしょに居続けることを選びます。

身の危険があるけれど、ガブとともに生きていくと決めたメイの決心は、私には衝撃的でした。

「愛するって、どういうことなんだろう」、「本当の愛って、何なんだろう」と考えさせられました。

『あらしのよるに』を最後まで読んで、導き出した答えは「愛とは信じること」。

クライマックスではアクシデントが起きて、ガブが記憶を失ってしまいます。

それでもガブが記憶を取り戻すことができたのは、互いを信じる強い心があったからです。

誰かを強く信じることができれば、その気持ちは奇跡になる。とても大事なことを教わりました。

5歳から子役として活躍している輝星さん。幼いころはお母さんに絵本を読み聞かせしてもらうのが大好きだったという。
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撮影/嶋田礼奈(講談社写真映像部)

輝星新しいお話『あいことばはあらしのよるに』は、シリーズのファンの方にも、初めて読む方にも、楽しめる作品です!

今までは、オオカミとヤギの仲間や自然現象など、外側から2匹が引き離されそうになっていましたが、今回は互いに秘密を抱えてしまいます。

ガブとメイの関係を揺るがす展開に、ハラハラドキドキしてしまいました!

さらに新しい登場人物が加わり、ガブとメイが2匹の関係から、家族の関係に成長したんだなとほっこりしました。

最後は優しい気持ちになれる、愛の物語です。ぜひ楽しみにしていてください。

村山輝星
2010年、東京都生まれ。5歳より芸能活動を開始。NHK Eテレ「えいごであそぼ with Orton」に4年間レギュラー出演。2022年には日本テレビ「24時間テレビ45『愛は地球を救う』」でトライアスロンに挑戦した。最近ではTBS「プレバト!!!」では消しゴムはんこで描いたイラストを披露し1位を獲得するなど、バラエティ、舞台、CMなど活躍の場は多岐にわたる。

「あらしのよるに」シリーズ新作『あいことばはあらしのよるに』がついに発売!

380万部ベストセラー「あらしのよるに」シリーズ、20年ぶりの新刊発売!

ヤギとオオカミの壁を越えた友情から家族愛へ!

食うもの(オオカミ)、食われるもの(ヤギ)の壁を越えて
おだやかに暮らしているオオカミのガブとヤギのメイ。

仲良しな二人なのに、実はおたがい隠している秘密があるようで、疑りあってしまいます……。
友情をつづけるのはむずかしい?
そんなことはありません。
自分を信じて、大切な人を信じるすばらしさを感じさせてくれる絵本です。

新しい家族を得て、より家族愛を深める2匹にぜひ出会ってください!

落語家・立川志の輔さん、歌舞伎役者・中村獅童さんも感動した、
人気シリーズの新シリーズ第1弾!

※掲載しておりますカバーは仮画像です。変更する場合があります。
※「新あらしのよるに」シリーズは「大型版あらしのよるに」シリーズと同じ大きさです。

●作者、きむらゆういちさんからのメッセージ
今の世界情勢を見ると、まさに今のほうがこの物語が必要になっていると思います。人種が違っていても、肌の色が違っていても、偉い人とそうでない人でも、金持ちでも貧乏でも、友情が生まれるかもしれません。その友情を信じていれば、あらゆる困難にも打ち勝ち、新天地に向かうことができる、と思っています。

●「あらしのよるに」シリーズ推薦コメント
「おもしろいものは、おもしろい。かんじるものはかんじる。
子どもも大人も、おなじです」──落語家・立川志の輔さん

「50年、60年と、今の子どもたちが大人になって、
その孫、その次まで残るくらいの名作だと僕は思っています」──歌舞伎役者・中村獅童さん

●担当編集者より
「あらしのよるに」シリーズは、産経児童出版文化賞JR賞、講談社出版文化賞を受賞。その後国語教科書に掲載され、アニメ映画化で日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した名作です。

20年前学生だった私は二人の愛の深さに圧倒されてシリーズ7巻を一気読みしました。今は子どもと一緒に、大切な人を信じるすばらしさに泣きながら読んでいます。

世代を超えて愛されるこの絵本からまさかの「つづき」が生まれたのは、作家のきむらゆういちさんが、ウクライナやパレスチナの争いをみて、いまこそこのお話が必要だと思われたからです。

ぜひ、皆様にご覧いただけましたら嬉しいです!

『完全版 あらしのよるに』
作:きむらゆういち 絵:あべ弘士

350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ。その7巻を一気に読める、完全版です。

歌舞伎の予習をしたい人も、舞台を見てガブとメイのその後が気になった人も。

全ての「あらしのよるに」ファンに捧げたい、特別な一冊です。

大型版あらしのよるに全7巻
編:講談社

多くの賞を受賞。映画化・舞台化され、教科書にも掲載、学校の図書館でも大人気の「あらしのよるに」シリーズが、迫力の大判で登場。お子さんへの読み聞かせにぴったりです!

〈1〉あらしのよるに──奇妙な友情はなぜ生まれたか?
〈2〉あるはれたひに──友情は食欲に勝てるか?
〈3〉くものきれまに──秘密の友だちって、いろいろたいへん。
〈4〉きりのなかで──仲間か? 友だちか? それが問題だ。
〈5〉どしゃぶりのひに──生きるためには、うらぎりも必要なのか?
〈6〉ふぶきのあした──この友情は、もう誰にも止められない……。
〈7〉まんげつのよるに──2ひきの友情ははたして永遠?

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やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。