子どもができる「正しい姿勢」トレーニング　食事・勉強・スマホ・ゲーム

バランスのとれていない悪い姿勢でい続けることの弊害として、現代の子どもたちには「浮き指」の症状も多く見られます。

「『浮き指』は、その言葉通り、足の指がふんわりと浮いてしまっている状態。本来は足裏全体で体重を支えるべきなのですが、骨盤が傾いていると、全体のバランスをとるのに、かかとに体重をかけてしまう。姿勢が悪い子の多くが、足の指がしっかり使えていないんです」

この浮き指は、小学校低学年～中高生に見られる、「シーバー病（※2）」というかかとの成長痛につながる可能性があるといいます。
※2＝踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)の別名。成長過程にある10歳前後の男児に多くみられる病気で、かかとの軽い腫れ、圧痛、歩行時痛がみられる。

「浮き指はシーバー病の一因と考えていいでしょう。グラグラとバランスの悪い状態での歩行が続くことになるので、注意が必要です」（武田先生）

おしりが痛い、かかとが痛いなど、身体のどこかに歪（ひず）みが出てくる子どもたち。子どもたちの身体が小さな悲鳴をあげるまえに、親としてできることがありそうです。

次回は、私たち大人が子どもたちの「良い姿勢のためにしてあげられること」をご紹介します。


取材・文／遠藤るりこ

理学療法士・武田純一先生のインタビューは全４回。
４回目は2022年１月11日公開予定です（公開日までリンク無効）。
第4回（＃４）　子どもの姿勢を正す「靴選び」「姿勢矯正グッズ」を理学療法士に聞いた

第１回（＃１）　子どもの猫背と心身の悪影響 「親子姿勢教室」の理学療法士が警鐘
第２回（＃２）　子どもの「悪い姿勢３パターン」　理学療法士が教える簡単セルフチェック