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理学療法士・武田純一先生「親子の姿勢教室」#3〜悪い姿勢の改善方法〜

理学療法士:武田 純一

正しい姿勢にするための秘訣は座ったときのおしりの下にあります。
写真:遠藤るりこ

「親子姿勢教室」を開き、子どもの姿勢の改善指導を行っている理学療法士の武田純一先生。前回(#2)は姿勢のセルフチェックの方法と3つの姿勢パターンを教えていただきました。

今回は、もうちょっと踏み込んで、子どもの姿勢改善に向けての実践をしていきましょう。子ども自身ができること、そして子どもにとってわかりやすい声のかけ方をうかがいました。

また、姿勢のバランスを整えるためにできる、簡単なトレーニング方法も伝授していただきました。(全4回中3回目。#1#2、を読む)

勉強や食事どきは おしりを意識

武田先生いわく、勉強や食事で椅子に座る時は「骨盤を立てた」状態で座ることが大切だと言います。でも、「骨盤」とは身体のどの部分をいうのでしょうか。ピンときていない子どもわかりやすいチェック方法があります。

「椅子に座って、おしりの下に手を入れてみてください。ゴリゴリとしている骨が見つかるはずです。

これは坐骨(ざこつ)というんですが、ここを触ったまま、前に背中を丸めると、手に骨があたらなくなります。そのままゆっくりと身体を立てると、手が骨に当たって痛くなる。そのまま後ろに腰を反らせると、また当たらなくなります。

おしりの下に手を敷いて、骨を触った状態で一番手に当たって痛い場所、これが『骨盤を立たせ、坐骨で体重を乗せる』ということです」(武田先生)

おしりの下の、ゴリゴリとした骨を見つけよう。この骨を触ったまま、身体を前後に倒して、「正しい位置」を見つける。
写真:遠藤るりこ

悪い姿勢だと おしりが痛くなる?

坐骨で座ることがうまくできないと、おしりの痛みにつながる場合があります。

「最近『おしりが痛い』と訴えてきた子が何人かいたんですね。みな姿勢が悪く、かなりの『背中ぐちゃ』状態でした。

骨盤が後傾した状態で座り続けていると、脊椎の最下端にある『尾骨』という骨が椅子の座面に当たった状態になる。尾骨というのはしっぽの名残のような小さな骨で、体重を支えるようにはできていない。ここが長時間座面に触れていることで、炎症が起こって痛みが生じてしまうんです」(武田先生)

「ちゃんとした姿勢で座っていないと、おしりが痛くなっちゃうよ」は、子どもたちにわかりやすく伝わりそうですね。

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