本記事は現在発売中の書籍『1日3分でしなやかな心が育つ 禅のことば』の一部を抜粋、編集したものです。
【看脚下】
(かんきゃっか)
直訳:
自分の足元を見る
メッセージ:
いま、自分ができることを探す
宋の時代の、中国での話です。
法演禅師(ほうえんぜんじ)というお坊さんが、弟子たちと暗い夜道を歩いていました。
明かりはろうそくに火をつけた行灯(あんどん)だけ。
そのとき、風がふいて行灯の火が消え、まっくらになってしまいます。
そのとき、法演禅師は弟子たちに
「この状況を禅らしく表現してみなさい」
とお題を出しました。
すると弟子のひとりが「看脚下」と答えたので、法演禅師は、その弟子がしっかり修行できているとわかった……というお話です。
眼の前が見えなくなったら、まず自分の足元を見ないと転んでしまう。
これは悟りに至る道と同じだ、ということです。
まずは自分ができることから
トラブルが起こると、私たちはあわててしまいます。
これは行灯の火が消えて、きゅうに周りが見えなくなるのと同じです。
そんなときに、起きてしまったこと(過去)や、これから起こること(未来)ばかり考えても仕方ありません。
まずは冷静になろう
大事なのは
「いま、自分にできることはなんだろう」
と考えること。
そうすると、冷静になり、かならず、自分にできることが見つけられます。
『1日3分でしなやかな心が育つ 禅のことば』
大愚元勝(監修)
定価:1,430円(税込)
ISBN:978-4-06-531752-5
イラスト©力石ありか
読者対象:小学校3年生以上
子どもたちが自分で感情をしずめるために役立つ24のメッセージを、超訳&イラストでわかりやすく解説。
大人が読んでも役立つ一冊です。
★同時発売★
『1日3分でやさしい心が育つ 聖書のことば』
佐藤優(監修)
定価:1,430円(税込)
ISBN:978-4-06-531753-2
イラスト©力石ありか
読者対象:小学校3年生以上
子どもたちが思いやりについて学べる24のメッセージを、超訳&イラストでわかりやすく解説。
大人が読んでも役立つ一冊です。
大愚 元勝
佛心宗大叢山福厳寺31代目住職。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地に達した者を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶・事業家・作家・セラピスト・空手家といくつもの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する移植の僧侶。令和元年、仏教の本質に立ち返り、「慈悲心、知恵、仏性を育む」ことを宗旨とする佛心宗を興し、従来の慣習や常識にとらわれない会員制寺院を創設。内弟子の育成、インターネットを通じた発信を精力的に行っており、YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」は登録者58万人を超える。 YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」
佛心宗大叢山福厳寺31代目住職。慈光グループ会長。僧名「大愚」は、何にもとらわれない自由な境地に達した者を表す。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶・事業家・作家・セラピスト・空手家といくつもの顔を持ち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する移植の僧侶。令和元年、仏教の本質に立ち返り、「慈悲心、知恵、仏性を育む」ことを宗旨とする佛心宗を興し、従来の慣習や常識にとらわれない会員制寺院を創設。内弟子の育成、インターネットを通じた発信を精力的に行っており、YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」は登録者58万人を超える。 YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」