アフターコロナ「子どもへの影響」 保育園・幼稚園・小学校の変化とは ママたちの実体験

幼稚園・保育園・小学校のリアル:アフターコロナの教育現場で起こったこと

写真:アフロ

コロナ禍、「子どもたちを守ろう」と考えた保育園や幼稚園、学校は、マスクや消毒をはじめとするさまざまな対策をおこない、新しいルールをつくり、子どもたちの日常は大きく変わりました。

そして迎えた2023年5月はアフターコロナへの転換期だったといわれており、以降、多くの園・学校で各行事が再開されました。

コロナ禍からアフターコロナ時代にかけての教育現場に起こったことや子どもたちの日常の変化とは。新型コロナによって必要・不要と判断されたものはなんだったのでしょう。起こった変化やママたちの心境を明かしてもらいました。

【アフターコロナ】園や学校、子どもたちの変化

・マスク生活
「長女がコロナ禍に入園。入園式も屋外で、常にマスクをしているのがかわいそうに思いました。(マスクをしているから)お母さん方も誰が誰だかわからず、アフターコロナでマスクを外したときに『こんな顔だったんだ』とギャップがありました。自分の顔を見られるのも恥ずかしかったです」(Aさん)

コロナ禍に知り合った方の素顔を見たことがなかったり、マスクをしていない自分の顔を見られることに少し抵抗を感じたり、マスクとの付き合い方はこの数年で確実に変わったことのひとつですね。


・黙食
「前を向いたまま人としゃべらないで食べる“黙食”にモヤっとします。子どもはまだ1年生で、給食中にしゃべってしまい、先生に怒られてしまうようです。現在は少し緩和モードのようですが、話してはいけないというのが癖になっているのか、家で食べているときも黙って食べていて、想像すると切なくて。『家では楽しくしゃべっていいよ。お話きかせてね』と言っています。食事は楽しい時間のはずなのに」(Bさん)

黙食の判断は自治体や学校によるため、早々に緩和された学校もあれば継続している学校もあります。Bさんがいうように、給食は楽しい時間であってほしいものです。


・規模縮小の運動会
「コロナ禍、運動会が学年ごとの開催になりました。当時1年生だったうちの子は小学校の運動会というものを知らず、終わったあとに『なんか体育(の授業)みたいだった』と言ってきて、なんかな~と思っていました。2023年は全学年一緒の運動会になり、クラスごとに閉会式もおこなわれたそうです。スピーディーにやっていましたが、もとに戻ってきたように思います。『今年の運動会、楽しかった! めっちゃ楽しいやん!』と帰宅後に言ってきて、安心しました」(Cさん)

運動会は基本的に屋外で開催されるということもあって、2023年からもとに戻った幼稚園や小学校が多かったようです。「めっちゃ楽しい」という感想が聞けて、本当によかったです。


・あらゆる行事の中止
「園の行事がほぼなくなりました。コロナ明けもイベントが復活せず、園長に問い合わせをするママが大勢いました。行事が多いという理由で選んだ幼稚園なのに……。上の子はほぼほぼ行事が経験できず。下の子はできるかと思いきや、(中止が)継続されていてモヤモヤしています」(Dさん)

「中学生の長男は、楽しみにしていた修学旅行に行けませんでした。他校は修学旅行があり、そこは各校の校長判断だったと聞きました。子どもには『春休みに友だちと行っておいで』と言っています」(Eさん)

我が子のがっかりした顔を見ることは、親としてつらかっただろうなと思います。ご友人との旅行では、ステキな思い出をつくれるといいですね。


・一部、コロナ禍のほうがよかった面も?
「園側がいろいろ考えてくれてイベントをコロナ前のやり方に戻してくれましたが、全学年開催になったことで我が子の写真が撮りづらくなりました。コロナ禍は少人数で見やすかったけど、『全学年のなかから探すのは大変だよね』といっているママはけっこういます。全イベントがマスクなしでできるのでのびのびしていていいけど、外したことで今度はいろんな感染症に感染する子がすごく増えてしまったので、これ以上は拡がらないといいなと思います」(Aさん)

「最近PTAが復活し、コロナ禍ではやらなくてもよかった活動も復活していて、コロナ禍のときに役員をやっておけばよかった」(Eさん)

コロナ前から感じていたであろう行事やPTA活動の不満や負担。アフターコロナだからといって元どおりに再開するだけではなく、方法や活動そのものを見直す好機かもしれません。

それって本当にコロナのせい? モヤモヤを感じた変化

・飾りがない運動会
「コロナ以前は、運動会の日は万国旗が飾ってあったり得点板があったりしたのに、それらがなくなりました。コロナを理由にした怠慢ではないか? とママ友と話しました。運動会という特別感が出るような、子どもの気持ちが盛り上がる方法を考えてほしかったです」(Cさん)

・お泊まり会→お楽しみ会への納得できない変更理由
「コロナ禍、年長の恒例行事だったお泊まり会がお楽しみ会(日帰り)に変わりました。アフターコロナのいまも状況は変わりません。園に問い合わせると『泣く子もいるし……』と。親と離れる経験、泣いたとしてもその子の成長になる、という目的だったはずなのに、いつの間にか話がすり替わっていることにモヤモヤします。母たちが署名を集めても、園長は決まったことに対して覆す気がないようで……。なぜそんなにかたくななのか」(Dさん)

学校や園側になにかしらの事情があった可能性もあるものの、「コロナと無関係では?」と思ってしまうような変更にはついモヤっとしてしまいますね。

まとめ

ママたちのエピソードから、さまざまな変化があったことがわかりました。切なくなったり納得しがたい変化もありましたが、それらに適応しながらがんばってきたママと子どもたちへ労いのことばをかけたい気持ちです。

しかし、見方を変えれば悪いことばかりではありませんでした。子どもの衛生観念が高まったり、なくても不都合がなかった活動は廃止になり、PTAの集まりのオンライン化も進みました。新しい「あたりまえ」をつくっていけることが、アフターコロナ時代のおもしろさかもしれません。

新型コロナウイルス治療薬の公費支援は2024年3月末で終了し、高額のために設けられていた上限額が廃止され、4月からは新型コロナウイルスがほかの病気と同様の扱いになります。

しかし、厚生労働省の発表資料によると、2024年に入って10代未満の新型コロナウイルス感染症数が急増しました。まだまだ油断はできません。

アフターコロナといえども正しく恐れながら感染症対策をおこない、子どもたちには安全かつ楽しい日々を送ってほしいですね。

参考1:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する令和6年4月以降の対応について」
参考2:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する報道発表資料(発生状況等)2023年6月~」

※この記事は、コクリコラボ「保育園・幼稚園・小学校の【アフターコロナ】 先輩ママは「新しい日常」にこうして戻った」ほかの記事作成のための座談会をもとに構成したものです。

取材・文/大沢ゆい・林まき子(AnyMaMa エニママ)

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コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。 ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。 (Any MaMaについてはこちら:anymama.jp Twitter: @AnyMaMaJP )​

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