著:はやみね かおる 絵:村田 四郎
校長からひとこと
『消える足あとと幽霊シュプール』は、都筑道夫先生の『七十五羽の烏』を読んだときに思いつきました。不思議な謎と、それを解くのは、そんなに難しいことではありません。問題は「どうして、そんなことをしたのか?」という動機です。その点、うまく書けているでしょうか? ラストで、教授を引っ越しさせてシリーズを終わらせるつもりが、まさか帰ってくるとは……。あと、『魔女の隠れ里』の真相は、「子どもには怖すぎる」ということで青い鳥文庫版には載っていません。講談社文庫版が出たときに、載せることができました。よろしければ、講談社文庫版も読んでみてください。 (発行日 1996/10/15)
笙野之里(しょうののさと)で企画している推理ゲームのアドバイザーをたのまれ、夢水名(迷)探偵は桜の咲く里へやってきた。ところが、ついたとたんにとどいたのは、『魔女』と名乗る人物からのメッセージ。そしてすぐに、謎の推理ゲームがはじまって……。『魔女の隠れ里』のほか、雪霊の藪の謎、羽衣母さんの謎もある、名探偵夢水清志郎事件ノート第4作。
発売日 | 1996/10/15 |
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価格 | 定価:円(本体810円) |
ISBN-13 | 9784061484467 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 270 |
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美琴 @Z5HHR
美琴 @Z5HHR
【この投稿はネタバレを含みます】
続きを見る第Ⅰ部「消える足跡と幽霊のシュプール」、第Ⅱ部「魔女の隠れ里」、そして「羽衣母さんの華麗な一日」とボリューム感ある1冊でした。 「魔女の隠れ里」では重くゾクッとする展開が続きますが、それを教授の食欲が和ませ、教授の謎解きが呪縛から開放してくれます。それでも哀しくやるせない事件です。第Ⅰ部から全てが伏線になっていたんですね。未解決の謎も含めて、科学では解き明かせない幻のようなその後にもゾクゾクしました。 また第Ⅰ部、第Ⅱ部を通して自然と人の共存についても考えさせられるテーマでした。 「羽衣母さんの華麗な一日」はとても記憶に残っています。おっとりしたイメージからは想像できない卒のなさ、策士!さすがです!!ほっこりしました。