著:はやみね かおる 絵:村田 四郎
校長からひとこと
当時、講談社ノベルスで、「袋とじ企画」がありました。当然と言えば当然ですが、ぼくは声が掛かりませんでした。で、何を考えたかというと、「だったら、青い鳥文庫で“一人袋とじ企画”をやろう!」です。さらに、普通ではおもしろくないと思い、二重の袋とじにしました。本が出てから、「袋とじってのは、印刷屋さんが機械ではなく手作業で一冊ずつ折ってるんだよ」と教えられました。つまり、とても面倒な本なのです。しかも、それを二重にするなんて……。しばらくは、印刷屋さんに足を向けて寝られませんでした。でも、それだけ苦労してもらった甲斐がある本になりました。 (発行日 2002/08/25)
引退した老マジシャン、グレート天野のつくった『ミステリーの館』。そこに招待された人々を待っていたのは、幻夢王(げんむおう)と名乗る謎の人物からの脅迫状だった。そして翌日、第一の予告状にあった「消失マジック」のことばどおり、老夫人が部屋から消えた……。密室のトリックの謎にいどむ夢水(迷)探偵の推理が、またまた読者をあっといわせる。名探偵夢水清志郎事件ノート第10作!
発売日 | 2002/08/29 |
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価格 | 定価:円(本体1200円) |
ISBN-13 | 9784061485976 |
判型 | 新書 |
ページ数 | 296 |
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美琴 @Z5HHR
美琴 @Z5HHR
【この投稿はネタバレを含みます】
続きを見る本編の大がかりなトリックに、本は袋綴じになっていて、読むのが楽しい1冊です。名探偵と幻夢王、同じ赤い夢の世界にいながらも相容れない関係…。自分にあう世界なんて幻想だという現実主義の伊藤さんの言葉が心に残っています。赤い夢とは…なんとなく理解しているようでできていないのではないか? 亜衣とレーチの上下噛み合わない会話がとても微笑ましく、そして快人と春奈も相変わらず仲良さげで嬉しくなりました。竹馬の友、でニヤついたのは私だけではないはず。